容器と構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 07:55 UTC 版)
発売当初より2008年(平成20年)3月までは全商品発泡スチロール製の容器が採用されていた。 2008年(平成20年)4月以降は一部先行商品を除き、環境保護の観点から発泡ポリエチレン断熱皮膜加工の紙製カップ(通称・エコカップ)へと切り替わっている。また、これまで包装フィルムに印字されていた賞味期限の年月日表記が容器の底に印字されるようになり、製造工場(例:関東工場製造、静岡工場製造、関西工場製造、下関工場製造、札幌日清製造)の表記も付くようになった。 発売当初から長期間採用された発泡スチロール製の容器は乾燥麺の封入で容器自体の強度を上げたりと、梱包方法一つをとってもさまざまな工夫の積み重ねと試行錯誤の繰り返しにより決定された。麺は「瞬間油熱乾燥法」と呼ばれる方法で製造されている。一般の袋入りインスタントラーメンの麺塊は厚みが3cm程度であるのに対し、当製品の麺塊はカップの形状に合わせた円錐台形である。そのことから厚みが4cmほどあり、普通に揚げると中は半生に、油温を上げると中が適度な状態になるが外側が黒く焦げるなど、開発時にはなかなか麺全体にうまく熱が行き渡らず苦心したという。この問題の解決にも、チキンラーメンと同じく天ぷらからヒントを得た事が大きく貢献したとされる。 また、カップの底に空洞があるのは「出荷時の麺割れを防ぐ(中間保持構造)と同時に、湯をそそいだ時に対流を発生させ、時間の経過とともに徐々に麺の重心が下に移動することにより、3分後の完成時には何もしなくても全体が自然とほぐれ食べやすくなり、その時にスープの水分も密度の高い上部と下部でまんべんなく行き渡るように計算されている(疎密麺塊構造)」というのがメーカー側の説明 である。これら中間保持構造と疎密麺塊構造については、日清食品が関係する特許を取得し保持していた が、既にその権利に関する大部分は期限が切れている。 上記麺塊構造は当初粉末スープが底入れであったため、縦長のカップ容積いっぱいに麺が詰め込まれているとスープが全体にまんべんなく行き渡らず、普通にお湯を注いだだけではカップ底部に溶けきらない粉末スープがほとんど残ったままになるという欠点があった。この点においては粉末スープの場所をカップの底から麺の上へ変更することで改善されたが、発売されてから20年以上経ってからの改良だった。
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