実験の目標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/08 10:31 UTC 版)
ANTARESプロジェクトは南極のアイスキューブ・ニュートリノ観測所を補完する。2つのプロジェクトの検出原理はよく似ているが、ANTARESは南半球方向のみに注目している。地中海に位置しているおかげで、ANTARESは多くの銀河の線源を含む領域である南天の100TeV以下のエネルギーのニュートリノに対する感度がより高い。 ANTARESは高エネルギーな起源、特に1010 から1014 電子ボルト (10 GeV -100 TeV)のニュートリノを検出できる。長年にわたり運転することで、南半球の宇宙起源ニュートリノ束のマップを作ることが可能になるだろう。特に興味深いのは他の帯域による観測と相関があるかもしれない天体点源(ANTARESと共通の視野を持つナミビアのヘス望遠鏡で観測されたはガンマ線源など)のニュートリノの検出である。 このほか宇宙・素粒子物理学の側面では、ANTARES望遠鏡は太陽(通常の太陽ニュートリノはANTARESのエネルギー範囲外である)または銀河核におけるニュートラリーノの対消滅という形で暗黒物質を探索するなどいくつかの素粒子物理学の基礎的な問題にも取り組むだろう。暗黒物質の直接探索を行うDAMA、CDMS、LHCにおける様々な実験とは大きく異なる方法を採用しているため、補完的な感度が期待される。ニュートラリーノの信号を検出することで超対称性の確認にもなるが、一般的にANTARESの感度レベルでは難しいと考えられている。ANTARESで測定できる可能性のある他の「エキゾチック」な現象にはnucleariteや磁気単極子がある。
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