定量性
定量性
定量性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 04:44 UTC 版)
測定結果は、定量的であるほうがより価値が高いとされることが多い。但し、キャベンディッシュの実験(クーロンの法則に関する)や、ホイートストーンブリッジ等のNull Checkのほうが、価値が高い、とされる場合もある。また、結果の定量的な予測が出来ない理論は、価値が低く見られる傾向がある。但し、系が複雑な場合には、短時間で定性的な傾向がつかめることや、倍・半分以上の予測のずれが許容される場合もある[要出典](シンプルさとのトレードオフが存在する)。 ここ数十年、医療や食品の分野で、証拠に基づいていない説・言説は不適切、と見なされるようになってきている。特に、医療・医薬品の効果に関しては、疫学的な観察や治療結果の統計学による比較に根拠を求める根拠に基づく医療が重視されるようになってきている。また、食品、製品の安全性についても、定量的なデータに基づいた監査が強化される傾向にある(FDA等のWeb Site[要文献特定詳細情報]を参照のこと)。このように、定量的なデータに基づくことを重視する立場を、エビデンスベースという。[要出典]但し、黎明期の理論や、あたりをつけるための理論に関しては、実際のデータとは一致しない仮定を多数含んだとしても予測力が一定水準あれば、仮説として一定の価値を得ることもある。 一方で、いくつかの問題は、定量化が難しい場合もある。このような問題に関しても、数字を用いて考えるほうが より科学的だ、と述べる人々もいる。実際に調査するのが難しいようなとらえどころのない量であっても、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、概算すること(フェルミ推定)は、科学的な思考の基本であると言われている。 文系の問題には「都市化が進むと治安が悪化するか?」、「結婚すると幸せになるか?」のような定量化が困難な問題が多いとされる。但し、「測定可能性、測定原理の存在」において紹介した概念操作化」 (Operationalization)という考え方により、リサーチクエスチョン(研究を通じて明らかにしたい問いのこと)を、「実験」や「調査」を通じて検証可能なレベルにブレイクダウンすることができる場合もある。実際には政治、経済、司法等においても、既に存在する統計データ(白書、売上データ等)から、四則演算および並べ替え・書き写しだけの操作で、データを、仮説検証に適した形に変更することができる問題は多数ある。。この種の問題の詳細は、本記事後述の「#日常の俗説と科学的方法」の節で述べる。
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