治療結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 15:21 UTC 版)
「全治」に到るまでの期間は数十日から数年と個人差があるが、治療結果としては「全治」や「軽快」の率がかなり高い。ただし、「全治」や「軽快」の定義がさまざまであるほか、薬物療法が併用されている場合があることなどには留意が必要である。 ところで、森田正馬は神経症が「全治」した状態に対して「悟り」という言葉を用いており、その体験者として釈迦や白隠の名前を挙げている。さらに鈴木知準は神経症の「全治」と禅の「悟り」は同じ心理状態と考えており、宇佐玄雄は近い状態と考えていた。また宇佐晋一のように、神経症の「全治」は不安がありながらも働いているその瞬間、瞬間にあり、あるがままを「悟り」と考える人もいる。 このように森田療法における治療と仏教における救済との間の親和性・類似性はたびたび指摘されているが、一方で、両者を完全に同一視するかのような見方には警鐘も鳴らされている。森田正馬自身が神経症の「全治」と禅の「悟り」は全く違うとも述べ、北西憲二もこれと同旨の意見を述べるほか、大原健士郎は、神経症の「全治」と仏教の「悟り」は似て非なるものであり、治療者は森田療法を体験すると「悟り」を得られるなどという、おごった気持ちになるべきでないと戒めている。
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