キャヴェンディッシュの実験とは? わかりやすく解説

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キャヴェンディッシュの実験

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/30 07:43 UTC 版)

キャヴェンディッシュの実験(キャヴェンディッシュのじっけん, : Cavendish experiment)とは、イギリス科学者であるヘンリー・キャヴェンディッシュによって1797年から1798年にかけて行われた、実験室内の質量間に働く万有引力の測定[1]と地球の比重の測定を目的とした実験である。なお、本実験は今日の重要な物理定数である万有引力定数と地球の質量の計測を目的としたものではなかった[2][3]が、後年それらの値が本実験の測定値に基づいて高精度計算されたことはキャヴェンディッシュの直接的な功績ではないものの特筆すべき事項である[4]


  1. ^ Boys 1894 p.355
  2. ^ Encyclopaedia Britannica 1910 p.385「キャヴェンディッシュのような実験の目的は地球の質量や...その平均密度あるいは万有引力定数 G を決定するものとみなされるだろう。キャヴェンディッシュの実験は今日では G の測定として記述されている (Clotfelter 1987 p.210)
  3. ^ Feynman, Richard P. (1963), Lectures on Physics, Vol.1, Addison-Wesley, pp. 6−7, ISBN 0201021161  を例として多くの情報源ではこれが最初の G (あるいは地球の密度) の測定であると誤報している。それ以前には、特に1740年のボウガー (Bouguer) や1774年のマスカリン (Maskelyne) の実験があるが、彼らの実験はかなり精度の悪いものであった (Poynting 1894)(Encyclopedia Britannica 1910).
  4. ^ Clotfelter 1987, p.210
  5. ^ McCormmach & Jungnickel 1996, p.336: キャヴェンディッシュからミッチェルに1783年に発信した手紙では『世界(地球)の質量計測の最初の試み』と書かれているが、『最初の試み』がキャヴェンディッシュとミッチェルのどちらを指すのかは明確ではない。
  6. ^ Cavendish 1798, p.59 キャヴェンディッシュは実験法の発明の帰属をミッチェルに与えた。
  7. ^ Cavendish, H. 'Experiments to determine the Density of the Earth', Philosophical Transactions of the Royal Society of London, (part II) 88 p.469-526 (21 June 1798), reprinted in Cavendish 1798
  8. ^ Cavendish 1798, p.59
  9. ^ a b Poynting 1894, p.45
  10. ^ Cavendish 1798, p.64
  11. ^ Boys 1894 p.357
  12. ^ Cavendish 1798 p. 60
  13. ^ 直径2mmの砂の質量は約13mg。Theodoris, Marina (2003年). “Mass of a Grain of Sand”. The Physics Factbook. 2009年8月10日閲覧。
  14. ^ Cavendish 1798, p. 99, Result table, (scale graduations = 1/20 in ? 1.3 mm) 「ねじれ天秤棒の両端の大鉛球による変位の比較のため、ほとんどの試行における変位量はこの2倍として記されている。」
  15. ^ Cavendish 1798, p.63
  16. ^ McCormmach & Jungnickel 1996, p.341
  17. ^ Halliday, David; Resnick, Robert (1993), Fundamentals of Physics, John Wiley & Sons, pp. 418, ISBN 0471147311, https://books.google.co.jp/books?id=-AjnmJHPiKMC&pg=PA418&redir_esc=y&hl=ja  ヘンリー・キャヴェンディッシュによって1798年の重力定数を測定するために用いられた実験設備。
  18. ^ Feynman, Richard P. (1963), Lectures on Physics, Vol.1, Addison-Wesley, pp. 6−7, ISBN 0201021161  「キャヴェンディッシュは地球を計量したと主張しているが、彼が計測したものは万有引力定数 G であり...」
  19. ^ Feynman, Richard P. (1967), The Character of Physical Law, MIT Press, pp. 28, ISBN 0262560038  「キャヴェンディッシュは力、二つの質量、距離を測定することができ、それらにより万有引力定数 G を決定した。」
  20. ^ Cavendish Experiment, Harvard Lecture Demonstrations, Harvard Univ, http://www.fas.harvard.edu/~scdiroff/lds/NewtonianMechanics/CavendishExperiment/CavendishExperiment.html 2007年8月26日閲覧。 .「[れじり天秤]は...Gを測定するためにキャヴェンディッシュにより改良された。」
  21. ^ Shectman, Jonathan (2003), Groundbreaking Experiments, Inventions, and Discoveries of the 18th Century, Greenwood, pp. xlvii, ISBN 0313320152, https://books.google.co.jp/books?id=SsbChdIiflsC&pg=PAxlvii&redir_esc=y&hl=ja  「キャヴェンディッシュは万有引力定数を計算するが、それから地球の質量がもたらされ...」
  22. ^ Clotfelter 1987
  23. ^ a b c McCormmach & Jungnickel 1996, p.337
  24. ^ Hodges 1999
  25. ^ Lally 1999
  26. ^ Cornu, A. and Baille, J. B. (1873), Mutual determination of the constant of attraction and the mean density of the earth, C. R. Acad. Sci., Paris Vol. 76, 954-958.
  27. ^ Boys 1894, p.330 この講義ではロンドン王立協会以前にボーイズは G とその議論を紹介している。
  28. ^ Poynting 1894, p.4
  29. ^ MacKenzie 1900, p.vi
  30. ^ Cavendish Experiment, Harvard Lecture Demonstrations, Harvard Univ.
  31. ^ Poynting 1894, p.41
  32. ^ Clotfelter 1987 p.212 ではキャヴェンディッシュが実際に用いた計算方法を説明している。


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