学科とカレッジ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 09:46 UTC 版)
「オックスフォード大学」の記事における「学科とカレッジ」の解説
大学の運営は、学科(department)とカレッジ(college)が並列に行っており、カレッジと学科が複雑に相互依存している。カレッジは39あり、大学への入学はカレッジに認められなければならず、授与される学位も、学科での審査とカレッジの認証によって大学から与えられる。カレッジは、学生を学科に送って講義を受けさせる一方で、3人以下の少人数制の個別指導や、4 - 15人程度の中規模のクラスを主催し、専門性が強くなると学科に委託する。学部生は、教育・生活の両面でカレッジへの依存性が強いが、大学院生になるとカレッジ外に住む割合も増え、学科にある研究室や図書館などで行う研究活動が中心になる。各カレッジは代々固有の財産と安定収入を持ち、伝統的な資産はイギリス各地の荘園、農園であり、近年では株式の割合も増えている。カレッジの資産を管理・運用するフェローのことをバルサー(英語版)と呼ぶ。 学部に相当する組織としては、division(日本語の学部や学系、学群などに相当)があり、その中にdepartment(日本語の学科に近い)がある。日本語ではカレッジが単科大学を指す場合もあるが、オックスフォード大学やケンブリッジ大学のカレッジ制度は性質が異なり、アメリカ合衆国のカレッジ制度とも異なるため学寮やコレッジと呼ぶこともある。学生の多くと一部の教職員とが寝食をともにし、またそこでともに学ぶというシステムである。各カレッジには得意とする専攻分野があるが、基本的には様々な学問分野の研究者と学生が揃っており、学際的な環境にある。大学院生を含めた全ての学生と、ポスドク研究員を除く大学教職員は、カレッジと学科の両方に所属するが、カレッジや学科独自の役職もある。ケンブリッジ大学やダラム大学は、同種のカレッジ制を採用した大学であることから、毎年大学間でカレッジ対抗のスポーツイベント、ドオックスブリッジが開催されている。 キリスト教系宗派の系統を持つカレッジも多く、特にクライストチャーチは、イングランド国教会オックスフォード教区の大聖堂でもあり、唯一大学の中にあり、大聖堂の規模としては英国最小であることを特色とする。英国国教会派以外にもカトリック系(トリニティ・カレッジ、セント・ジョンズ・カレッジ)、長老派系(ハリス・マンチェスター・カレッジ)、バプテスト系(リージェンツ・パーク・カレッジ)、福音派教会系(ウィックリフ・ホール)などのカレッジやパーマネント・プライベート・ホールがある。各カレッジの自治と宗派とのつながりも深く、その点では私立大学的要素も持ち合わせている。
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