カレッジ制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 18:16 UTC 版)
ケンブリッジ大学は、31のカレッジから成るカレッジ制を採る。カレッジは「学寮」とも訳され、全ての学生は学部生・大学院生を問わず、1つのカレッジに所属する。学部生の入学者選抜はカレッジ毎に行われ、一部の学科を除いてAレベル試験の成績の他に、面接試験で判定される。歴史的に見れば、カレッジは教師と学生が寝食を共にし、そこで共に学ぶという修道院の形態に由来している。19世紀の半ばまで、教員は英国国教会徒であること、および生涯独身であることなどが義務付けられていたが、大学改革により義務は緩和された。現在では国教会に限らず、プロテスタント系、カトリックのカレッジも存在している。各カレッジは代々固有の財産と安定収入を持ち、伝統的な資産はイギリス各地の荘園、農園であり、近年では株式の割合も増えている。カレッジの資産を管理・運用するフェローのことをバルサー(英語版)と呼び、経済学者のケインズはケンブリッジ大学のキングス・カレッジのバルサーであった。 学部生の教育は、伝統的にはカレッジで教員と学生の1対1で行われていた。カレッジによるこうした指導を「チュートリアル」と呼び、チュートリアルを施す教員を「チューター」と呼ぶ。現在ではチューターは生活面で学生の面倒を見る教員を指す。ただし、「シニア・チューター (senior tutor)」と呼ばれるチューターのリーダーは、現在でも各カレッジにおける教育の最高責任者と見なされている。またオックスフォード大学、ダラム大学は、同種のカレッジ制を採用した大学であることから、大学間でカレッジ対抗のスポーツイベント、ドオックスブリッジが開催されている。 ケンブリッジ大学の一番学生人数の面で、ノーベル賞の受賞者数でも大きいコレッジはトリニティ・カレッジ。トリニティ・カレッジの現在、過去のノーベル賞受賞者の人数は34人。(トリニティ・イン・ジャパン・ソサエティ、トリニティ・カレッジ)
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