子宮頸癌による死亡者数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:11 UTC 版)
「ヒトパピローマウイルスワクチン」の記事における「子宮頸癌による死亡者数」の解説
世界で年間52万9,000人が子宮頸癌を発症し、27万5,000人が死亡していると推計されている。子宮頸癌の85%、子宮頸癌による死亡の80%は、発展途上国で発生する。 日本では、年間約9,800人が子宮頸癌と診断され、2,700人が死亡している(2008年と2011年の統計)。1958年の統計開始時には1583人であったものが年々増加し、2019年には15歳以上の2,921人が死亡している。2018年の診断数は10,978例である。。ほかの癌とは異なり、20歳代から高い発生頻度を示すのも、子宮頸癌の特徴である。また一方で、再発や転移のリスクの高い癌とは異なり、治療による生存率が高い。特に20-30歳代で増加しており、若い女性や子育て世代の女性が子宮頸がんに罹患し、妊娠能力や命を失う深刻な問題が発生している。 一方、年齢別死亡者数では、子宮頸癌による主な死亡層は高齢者であり、2008年時点で24歳までの死亡はほとんどなく、30代の10万人あたり1人から50代の同5人前後へと上昇していったまま推移し、80代近くになると急激に10人に達する。 18歳で初体験をして21歳で死亡した急進行した事例もある。 子宮頸癌については罹患影響は本人だけに留まらない。2021年1月、国立研究開発法人国立がん研究センターは、母から子供に癌が移行することを公表した。出産直後の赤子が母親の子宮頸がんのがん細胞が混じった羊水を肺に吸い込むことによって、母親の子宮頸癌の癌細胞が子どもの肺に移行して小児での肺癌を発症した2事例を発表した。1組目の男児は免疫療法薬で治療できたが、2組目の男児は手術で肺癌を切除した。母親2人は出産後や出産時に癌と診断され出産後に死亡した。 岡山県知事伊原木隆太はその現状を飛行機が30代、40代の母親を200人弱定員満席で乗せ毎月墜落しているのと同様と例え、独自にワクチン勧奨策を取り2020年接種率を23.4%に上昇させた。 アイルランドでHPVワクチンの推奨キャンペーンに参加したローラ・ブレナンは、中学生の時HPVワクチンの対象年齢外であったため未接種となり、2017年に25歳で子宮頸がんを発症して2019年に26歳でその病により逝去した。アイルランドのHPVワクチンの摂取量は、2017年の過去最低の50%から2019年3月の70%に増加し当時の保健相は、ワクチンを接種する人の増加は、彼女のキャンペーンの証だと話した。彼女は生前、アイルランド中の両親に接種を促す呼びかけを希望し、次のように語った。 この病気は壊滅的で、私の命を奪うでしょうが、いいニュースとして、それを防ぐために入手できるワクチンがあります。HPVは私の癌を引き起こしました。代わりの方法があることを両親に知ってもらいたいのです。
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