子宮頸癌検診
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:11 UTC 版)
「ヒトパピローマウイルスワクチン」の記事における「子宮頸癌検診」の解説
日本での子宮頚癌検診の受診率は40%程度と、他先進国の70-80%と比較すると低率であり、特にも特に20歳代を含めた若年層の検診受診率が低い。また、既に子宮頸癌や前癌病変に進行した人が検診を受診しても、陽性と判断される確率(検診の感度)は、50-70%に過ぎない。より感度の高い細胞診・HPV-DNA検査併用検診は、日本では臨床研究段階であり、特定の地域でのみ実施されているため普及していない。 定期的な検診で、子宮頸癌による死亡率は最大80%減少するとされているが、現実には日本の子宮頚癌患者は年々増加しており、子宮癌検診による患者削減は成功していない。20-39歳の癌患者の約8割が女性で、特に25歳から飛躍的に癌になる可能性が増える。これは子宮頸癌と乳癌の増加によるものである。 東京都医師会の見解では、がんや前がん状態の被験者が検診で陽性を示す割合(感度)は 50%から70%であり、一定数偽陰性が出ることが知られ、特に妊婦や腺がんに多い。また検診でがんや前がん状態が発見されても子宮摘出や円錐切除術を受けるため女性のQOLが低下する。接種で集団免疫が向上する効果もある。これらのため、HPVワクチン接種と検診の両方を推奨している。なお厚労省によると円錐切除術の件数は年間1.1万件を超え、かつ妊孕性を失う手術や放射線治療を要する20代・30代は、年間約1,200人に上る。 妊娠中の細胞診は脱落膜細胞や異型化生細胞など鑑別を要する細胞がしばしば出現すること、採取の際の出血を避けるため十分な細胞採取が行われないことなどにより正確な診断が困難となることが専門医師により指摘されている。 双子の子どもの母であった女性(享年47歳)は検診を欠かさず受けていたが、子宮頸がんの末期がんと診断されてから2年たたずして亡くなった。その配偶者はワクチン普及の重要性を訴える活動を行っている。
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