媒体の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 16:16 UTC 版)
アナログレコードの時代はアメリカ合衆国でのプレスが主流であったが、CD時代になると取締りの緩さから日本製の海賊CDがコレクターの注目を集めている。建前上はヨーロッパ製などとして販売しているが、主に東京都新宿区西新宿七丁目(旧・柏木一丁目、旧・百人町一丁目)の小滝橋通り界隈に多数存在するコレクターズCD店が製造、販売している。 海賊盤のCD化に際して、レコード時代には決して登場しなかった高音質のライヴ音源やスタジオでのリハーサル音源が登場した。そのことからも、ミュージシャン側のスタッフや録音テープを保管しているスタジオ関係者内にも、海賊盤業者側から内密に金銭を授受されるなどして、こういった不法音源製作に関与しているとしか思えない状態が予測されている。ファンが録音した新旧ライブ音源をBitTorrentなどで業者が入手し、販売されるケースも増えてきている。 実際、レッド・ツェッペリンがドラマーのジョン・ボーナムの死後にリリースした未発表曲集アルバム『コーダ』の製作の段階で、ジミー・ペイジが「録音テープの確認をしたところ紛失したテープがあったが、期限の関係でその1曲を外さざるをえなくなった。その後、紛失したテープは元の位置に戻っていて、同曲はその10年以上後にリリースした『ボックスセット 2』に収録されることとなった」とインタビューで述べていて、明らかに内部の関係者やスタッフ内に犯人がいることをほのめかしていた。 パソコンの普及やソフトウェアの進化・低価格化に伴い、個人でもCDを製造する事が容易になり、CD-RやDVD-R(いわゆるR盤と呼ばれるもの)での販売も多くなってきており、プロとアマチュアの境界線はなくなりつつある。中には個人製作だったものをコピーして売りさばく業者も存在し、逆に業者が製作したものをコピーし、オークションなどで堂々と販売している者もいる。ただしR盤は耐久性の問題に加え、ノイズ混入や音飛びなど初期不良が見られるものも少なくなく、外見もチープに見えるため、明らかにコレクターズアイテムとしての魅力は乏しいといえる。それゆえにオフィシャルCDと同じように工場生産のプレス盤に拘るコレクターは多い。 また、メディアはアナログレコードからCDに変遷したようにDVDへとその主流は移行しつつあるほか、オンラインでのダウンロードによる海賊盤も増加している。
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