天気図の種類と分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 13:29 UTC 版)
一般に用いられる天気図は地上天気図であり、等圧線の形で気圧が記入されている他に、前線や天気記号、低気圧や台風などの大気擾乱の位置がプロットされている。 天気図は地上天気図のほかに高層天気図がある。また、現在の気象の状態を表す実況天気図に対して、近い将来の気象の状態を表す予想天気図も使われている。一般的に、「天気図」といえば地上天気図のことを指す。 また、地上天気図や高層天気図などにおいては、世界的には世界気象機関(WMO)が統一基準を定めた国際式天気図が用いられている。日本では、地上天気図に限り、一般向けにより簡易で分かりやすい日本式天気図も用いられている。 天気図では、気象衛星画像との比較をしやすくしたり、風向などが図上に正しく記入できるよう、緯度ごとに異なる図法を使用している。中緯度の天気図においては、ランベルト正角円錐図法が最もよく使用される。 データの性質別 実況天気図 - 観測結果による過去の天気図。解析天気図ともいう。 予想天気図 - 観測結果を基に予想した天気図。 数値予報天気図 - 基礎資料である数値予報(物理学の方程式により、風や気温などの時間変化をコンピュータで計算して将来の大気の状態を予測する方法)の計算結果から自動作成(画像化)した天気図。 天気図の対象となる地域別 地上天気図 - 地上(厳密には重力ポテンシャル高度0m)の気象の状態を表した天気図。 高層天気図 - 高層の気象の状態を表した図。基準となる気圧を定め、各地点でその気圧となる高度を表した等高度図が多く用いられる。 表現するデータの種類別 レーダーアメダス解析雨量図 - 気象庁が発表する雨量分布図。(地上天気図) 卓越天気予想図 - 予想される天気の分布図。(地上天気図)運行に支障のある、気象現象と存在が予測される高度などを示す分布図。(悪天図 またはSIGWXチャート) 降水量予想図 - 数十キロ~数百キロ四方ごとの平均降水量。(地上天気図) 波浪図 - 波の高さや風速などの解析・予想図。(地上天気図) 海氷図 - 海氷分布の解析・予想図。(地上天気図) 気温図 - 気温分布の解析・予想図。 湿数図 - 湿数分布の解析・予想図。 海面水温図 - 海水温分布図・予想図。(地上天気図) 渦度図 - 渦度の解析・予想図。 鉛直流図 - 上昇気流の解析・予想図。 データの表現手法別 等圧線天気図 - 気圧の等しい部分を線でつなぎ、気圧を等圧線で表した図。地上天気図や圏界面高度を気圧の値で示すもので使用される。 等風速線天気図 - 風速の等しい部分を線でつなぎ、風速を風速線で表した図。 等温線天気図 - 気温や海水温の等しい部分を線でつなぎ、気温や海水温を等温線で表した図。 等高度線天気図 - 基準となる気圧を定め、各地点でその気圧となる高度を線でつなぎ、高度を高度線で表した図。 流線天気図 - 等圧線ではなく、風向に注目して風の流れを流線で表した図。等圧線の間隔が広い低緯度地域の地上天気図や高層天気図で使用される。 複数の図を組み合わせたものも多用される。このほかにも、気象機関によってさまざまな種類の天気図が作成されている。 このほか、天気図と気象衛星の画像(雲画像)を重ね合わせて、気圧配置と雲の分布を分かりやすく表現することもあり、テレビの気象情報や新聞の天気欄などでよく見られる。
※この「天気図の種類と分類」の解説は、「天気図」の解説の一部です。
「天気図の種類と分類」を含む「天気図」の記事については、「天気図」の概要を参照ください。
- 天気図の種類と分類のページへのリンク