大衆文化の中での扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 02:51 UTC 版)
「脳の10パーセント神話」の記事における「大衆文化の中での扱い」の解説
この神話と深く関連するいくつかの書籍・映画・短編小説が発表されている。小説『ブレイン・ドラッグ』(英:The Dark Fields) とその映画化作品、ジム・ブッチャーよるシリーズドレスデン・ファイルの第9巻『ホワイト・ナイト』、映画『リミットレス』(一般的な10%の代わりに20%としている)、少年漫画の『PSYREN_-サイレン-』、映画『LUCY/ルーシー』、テレビドラマ『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』等の作品が含まれるが、いずれの作品でも薬物の使用によって未使用の脳の領域にアクセスできるという発想が前提にある。特に『LUCY/ルーシー』では10%の限界を超えた途端に神のような能力を発揮し始める登場人物が描かれている。(一方で作中では10%という数字はある特定の時点でのもので、一生のうちに脳の潜在能力の10%のみが使用されているわけではないことが示唆されている) この伝説は『怪しい伝説』の2010年10月27日放送のエピソードの中で「ウソ」と認定された。番組のホストは脳磁図とfMRIを使って複雑な知的課題を行っている人間の脳をスキャンし、脳の10%以上、最大では35%がテストを通じて使われていたことを示した。 「脳の10%神話」は頻繁に広告で使用される。娯楽メディアではこの神話があたかも事実であるかのようによく引き合いに出される。 一部のニューエイジ運動の提唱者は「脳の10%神話」を宣伝し、脳の使用されていない90%の部分が超能力を司っているとして、訓練を積めば念力や超感覚的知覚を発揮できると主張した。それらの能力が実在すると証明する科学的に認められた証拠は存在しない。 1980年、ロジャー・ルーウィンは『サイエンス』上で『あなたの脳は本当に必要か?』と題する記事を発表した。この記事はジョン・ロアバーによる大脳皮質の喪失に関する研究についてのもので、ロアバーはあるシェフィールド大学の学生のケースを紹介し、その学生がIQ126と測定され数学の学位を取得したにも関わらず、水頭症によって大脳皮質が縮小されたために目に見える脳の部位をほとんど持っていないと報告した。この記事は同じタイトルのドキュメンタリー番組(英ヨークシャーテレビ(英語版)が制作)が放送されるきっかけとなったが、この番組では記事とは別の患者が取り上げられ、その患者のケースでは正常な脳が巨大な頭蓋骨の内部に異常な形で分散していた。
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