大きさの推定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/21 18:58 UTC 版)
「ブルハトカヨサウルス」の記事における「大きさの推定」の解説
記載論文に拠ればブルハトカヨサウルスの脛骨は長さ2 mである。これは1.55 mであるアルゼンチノサウルスの脛骨よりも29%長い。大腿骨の断片も同じく巨大で、遠位端までが75 cmあり、56cmであるAntarctosaurus giganteusの大腿骨より33%大きい。 全長の推定値についての論文は出ていないが、インターネット上に推定値を発表している研究者もいる。Mickey Mortimerによる初期の推定ではブルハトカヨサウルスの全長は45-50 m、体重230-250 tであった。しかし、Mortimerは後に推定しなおして体長48-55 mとし、体重の推定法は古く、不正確だとして体重の新たな推定値は発表しなかった。2008年5月に古生物学者Matt WedelはブログSauropod Vertebra Picture of the Weekにて、アルゼンチノサウルスとの比較によりブルハトカヨサウルスの体重を269 tと計算している。 比較としてティタノサウルス類のアルゼンチノサウルスは体長35 m、体重80-100 tと推定されている。また別の巨大なティタノサウルス類であるパラリティタン(Paralititan)ではおそらく体長32 m、体重65-80 tであった。これらの竜脚類は皆、部分的もしくは断片的な化石しか知られておらず、推定は不確かである。体長の推定は発見されている化石をより完全な化石が発見されている近縁種の同じ骨との比例計算したものである。しかし、こういった推定は経験に基づくものの域を出るものではなく、特に尾の長さについては判断が難しい。軟組織の情報を提供する化石はほとんどなく、体重の推定はさらに難しい。加えて等長スケールは体の各部の比率が同じであることに基づいているが、これは必然性がない。特に、ティタノサウルス類では比較的完全な化石の数が限られており、比率はよく分かっていない。 もしブルハトカヨサウルスの大きさの推定が正確だとすると、この大きさに達する動物は他にシロナガスクジラしかいない。成熟したシロナガスクジラでは体長30 mで、ブルハトカヨサウルスより若干短いものの、最大記録では体重176 tに達し、おそらくブルハトカヨサウルスより重い。 恐竜の中ではブルハトカヨサウルス以上の大きさの別の標本は情報が乏しい。エドワード・ドリンカー・コープが発見したAmphicoelias fragillimusはブルハトカヨサウルスより長く、体長56 m-62 mに達したが、ほっそりとしたディプロドクス科の種であり、体重は120 tしかなかったと推定される。しかし、こちらも発見された唯一の標本(巨大な椎骨の一部とされるもの)は輸送中のトラブルで失われており、標本の記述と図版が残されているのみであり、やはり疑わしい存在である。
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