多度町RDF火力発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:12 UTC 版)
「廃棄物固形燃料」の記事における「多度町RDF火力発電所」の解説
2003年9月に三重県桑名郡多度町(現在の桑名市)にあったRDFを燃料とした火力発電所で、RDFを貯蔵していたサイロで火災が発生した。さらに、消火活動中に爆発が発生し、消防士を含む7人が死傷した。 爆発の原因は、RDFが嫌気醗酵した結果として発生した可燃性の気体が、何らかの理由で引火したためと考えられており、クロストリジウム属の水素を産生する細菌が関わっているとされる。ただし、これには異説もある。一般的な微生物の繁殖には水分活性0.8以上が必要であり、水分活性0.6(水分14%前後)以下では通常の微生物の繁殖は阻止される。このため、含水率1%に乾燥させているサイロのRDFが微生物によって醗酵するとは考えられないとし、大気中の水分の吸着による吸着熱が原因とする説である。吸着熱は含水率の低下に伴い増大する。乾燥物の加水による温度上昇は吸着熱と凝縮潜熱(=蒸発潜熱)の差に由来し、製粉の調製(conditioning)で行う加水(damping)後の温度上昇はこれに当たる。また異なった含水率物質の混合による発熱は含水率の差による吸着熱の差に由来する。 この爆発後もサイロのRDFは緩やかに燃え続けたため、サイロを解体せざるを得ず、結果的に一時操業中止に追い込まれた。 その後、安全対策のために施設改修および品質管理マニュアルを整備し、試運転を経て、2004年9月に運転を再開した。また、焼失したアトラス式サイロに代わり、屋内式開放型ピット方式の新たなRDF貯蔵槽を整備し、2006年8月から貯蔵槽の運用も開始した。なお、この施設は2021年まで運用する予定だったものの、2019年に運転中止が決定し、2019年9月に発電を停止した。
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