在留資格と上陸審査の緩和(2014年)
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「出入国管理及び難民認定法」の記事における「在留資格と上陸審査の緩和(2014年)」の解説
2014年(平成26年)の第186回国会において改正法案が成立し、6月18日に公布された。在留資格における主な改正点は4つ。そのうち3つは2015年(平成27年)4月1日から施行されている。「留学査証」だけは1月1日からである。これらについては列挙後述する。また1月1日から、法務大臣が指定するクルーズ客船の外国人乗客を対象として、簡易な手続で上陸を認める「船舶観光上陸許可」制度を設けている。自動化ゲートを利用できる対象者の範囲を拡大して、上陸許可の証印を省略、特定登録者カードを証明に使えるようにする改正の施行期日は、公布の日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するとされ、2016年11月1日から施行された。 「高度専門職」の創設現在の「高度人材査証」に加えて、同様の優遇措置を与える「高度専門職1号」および「高度専門職2号」の在留資格を新たに創設。それぞれの在留期間は5年と無期限。前者は3年在留すれば2号への変更申請ができる。貢献度が審査され、通過すると資格がとれる。この点において、現在の高度人材査証は1号と等しく扱われる。 「投資・経営」査証の一部改正従来、外資系企業の経営・管理を行う場合に「投資・経営査証」が付与されていた。改正後は、日系企業の経営・管理を行う場合にも「投資・経営査証」が付与される。資格名称も「投資・経営査証」から「経営・管理査証」へ変更。従来、「投資・経営査証」を申請する際には、法人登記証明書を提出したが、今後は定款など、会社を設立しようとしていることが証明できる書類を、入国管理局へ提出すれば足りるようになる。 「技術」「人文・国際」査証の一本化従来は、理科系の分野の知識を必要とする業務であれば「技術査証」が、また、文科系の分野の知識を必要とする業務であれば「人文知識・国際業務査証」が交付されていた。改正後は、これらの区分が撤廃される。新たに包括的な在留資格として「技術・人文知識・国際業務査証」が創設された。 「留学」査証の一部改正「留学査証」の対象に小・中学校が追加された。 しかし一方で、これに基づく船舶観光上陸許可を用いて来日した外国人のクルーズ客らが、日本への上陸後に相次いで失踪していることが、2016年(平成28年)12月16日付の毎日新聞で報じられた。同年11月に不法残留の中国人らが兵庫県警察に逮捕されたことをきっかけに、ブローカーらの存在や入国管理の甘さなどが噴出したと見られ、これらの簡略化が仇となったと見られている。
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