国際部隊による戦闘行為
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 18:51 UTC 版)
「リビア飛行禁止空域」の記事における「国際部隊による戦闘行為」の解説
2011年3月19日1600GMT時にフランス空軍が反体制派支配下の都市を防御するためにベンガジ上空から150kmから100kmの領域に戦闘機19機を展開させたと伝えた。仏国防省スポークスマンは1645GMT時から1659GMT時にかけてフランス軍機がリビア軍の車両に対して空爆を実施しこれを破壊したと伝える。 アルジャジーラによるとフランス軍機はベンガジ南西にてカダフィ軍の戦車4輌を破壊した。同日、デーヴィッド・キャメロン英首相はイギリス軍機も活動中であると言明し、さらに報道ではアメリカ軍が最初の巡航ミサイルを発射した事を示唆する。CBSのデービッド・マーティンはB-2爆撃機3機がリビア国内の主要飛行場に40発の爆弾を投下するためアメリカ本土から無着陸で飛行すると報じた。さらに、同じ報道でアメリカ軍機が攻撃対象となるリビア軍地上部隊を捜索していると報じている。 アメリカ国防総省とイギリス国防省は協同で駆逐艦「USS バリー」と潜水艦「HMS トライアンフ」から少なくとも110発のトマホーク巡航ミサイルを発射したことを確認した。また内陸および沿岸部の軍事施設に対して補微修正の空爆支援が実施されている。 当初、作戦参加のアメリカ軍部隊はアメリカアフリカ軍司令官カーター・ハム陸軍大将(en:Carter Ham)の指揮下におかれた。作戦の戦術指揮は在欧アメリカ海軍司令長官サミュエル・ロックリア海軍大将が地中海上で航行中の指揮艦「USS マウント・ホイットニー」艦上から実施する。ロバート・ゲイツ米国国防長官は数日の内に作戦統制権がフランスおよびイギリスの指揮当局またはNATOに移管されると伝える。 2011年3月20日にはストーム・シャドウ巡航ミサイル数発がイギリス軍機から発射された。アメリカ軍機19機も空爆を実施した。アメリカ軍機は海兵隊のハリアー短距離離着陸戦闘機、空軍のB-2爆撃機、F-15戦闘機およびF-16戦闘機が参加している。カダフィ軍の地上部隊車列は数回の空爆によって撃破されている。70台近くの車両とその乗車兵が同時に撃破されていることが知られる。 デンマーク空軍のF-16戦闘機4機が5時間の飛行後イタリアのシニョネッラ航空基地に帰還し、「非常に危険な任務である」であると報道官は述べた。その後、イタリア空軍のトーネード攻撃機3機がトラーパニ航空基地から離陸する。3月18日に即時停戦宣言ののち、3月20日2100時からリビア軍によって新たな停戦が宣言される。SA-2、SA-3およびSA-5地対空ミサイルの移動式以外と固定対空火砲の多くは破壊され、残る脅威は携帯式地対空ミサイルやSA-6およびSA-5移動式地対空ミサイルシステムなどとなっている。 リビア政府は軍事施設の防衛にために人間の盾の使用を認めた。カダフィ大佐の居住地の一つとみなされるバブ・エル=アジジア(Bab al-Azizia)の居住区は3月20日夜半から3月21日早朝にかけて破壊される。 3月26日夜、フランス軍機はミスラタのカダフィ政府軍に対して空爆を実施、戦闘機5機、戦闘ヘリコプター2機を破壊する。多国籍軍の戦闘機が上空を飛行している間はカダフィ政府軍の攻撃が停止していると反体制側が伝えており、飛行の抑止効果が現れている。
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