国内公的機関の対応と意識
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 14:50 UTC 版)
「無極性プラグ」の記事における「国内公的機関の対応と意識」の解説
日本の場合、日本産業規格や電気設備技術基準による複数の規定の他、電気用品安全法(電安法、PSE)においても極性ありの場合(配線色で電線が識別されている場合)ACプラグ・コンセントには接地側の表示などを義務付けている(例えばアレクサのスマートプラグの接地側には必ずNマークが目立つように表示されており、大型の液晶テレビや高級オーディオ機器の電源コードには接地側に白い線が設けられることが多い)。また、電気工事士は開閉器を必ず活線側に設ける原則を守っている。 しかしながら、ACプラグの差込む向きがEMCトラブル(ノイズ発生や機器トラブル、機器寿命、電気火災、感電)に関係することを認識している国内の公的機関は全く確認できず、一部の専門知識を持つエンジニアが注意を喚起しているのみである。残念なことに、安全を守るべき電気保安協会が、ACプラグの向きはどちらでもよいなどと説明しているケースが散見される。これは米国Oshaの見解とは逆である。米国では解明されている家電製品の発火原因も経済産業省の調査では原因不明、あるいは経年劣化によるトラッキング現象によるものと結論づけられることが多い。 長期間に渡り大出力機器のNを片切スイッチで開閉するという配線が継続されると、スイッチングされた側でアーク放電が発生しやすい為、N側のみが激しく焼損するケースが多くなる。このトラブルを日本の公的機関は経年劣化あるいは吸湿した埃によるトラッキング現象であるとしているが、その理論ではN側だけが激しく焼損する理由を説明できない。仮にトラッキング現象が起きないように、コンセント-プラグの部位を恒久的に結線したとしても、プラグやコンセントの代わりに、製品内のコネクタや電源スイッチ、電子スイッチ、ダイオードブリッジ、コイル、スイッチング回路などに放電・焼損する箇所が移動してしまう為、リスクの低減には繋がらない。 EMIを含めたEMCトラブルは、静電シールドやシールドケーブル、バリスタやYコンデンサ、CRフィルター、フェライトコア、ラインフィルターなどにより回路・線路外へリークしたあるいはリークしようとしているエネルギーを、制御されたリターンパスにより大地へ逃がしたり、熱に変えたりすることである程度改善できる。しかしながら根本的にトラブル発生(EMI発生)を抑制するには、重畳した高調波をも大地へ戻すことができるNはスイッチングさせることなく、機能接地された状態を維持することが重要であり、世界各国の技術基準に準拠することでもある。
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