嚆矢となった赤羽駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:43 UTC 版)
「首都圏国電暴動」の記事における「嚆矢となった赤羽駅」の解説
しかし、赤羽駅の東北・高崎線下りホームでは一向に到着しない列車に利用客の不満が高まっていた。 20時頃、青森行急行「津軽1号」を宇都宮駅まで普通列車扱いにすると案内放送が流れた。定刻であれば「津軽1号」は上野駅19時35分発であるが、順法闘争と荷物積込みの遅れから20時15分に上野駅を発車。しかも上野駅を発車した時点で超満員となっていた。 「津軽1号」の到着前、赤羽駅列車ホームで上り中距離電車が停車中、ホーム上の乗客1,500人が下り電車が来ないことに不満を募らせ「停車している電車を折り返し運転しろ」と要求し運転士を引き摺り下ろして中距離電車を破壊し始めていた。 そのような事態が進行していた20時30分頃、「津軽1号」は数百人が待つ赤羽駅に到着した。しかし既に超満員のため駅の乗客は乗車することが出来ず、乗客は機関車を取り囲んだ。機関士は乗客の勢いに押され逃亡した。その後、乗客は動かない列車に対して窓ガラスを割り始めた。このため「津軽1号」も赤羽駅を発車できなくなり、国鉄側は京浜東北線へ乗客を誘導する案内放送を行った。 しかしこの時、京浜東北線北行の電車も赤羽駅手前で信号機故障により運転見合わせとなり、乗客が線路を歩き駅へ向かう事態となっていた。 21時頃には赤羽駅の各線ホームは6,000人もの人であふれ、さらに駅長室に詰めかけて暴れ、駆けつけた機動隊に対して気勢を挙げて対峙するなどの暴動に発展した。21時30分頃には1番線に停車中だった京浜東北線磯子行電車車内で発煙筒が燃やされ、車内も破壊された。22時30分頃には男性が運転台に放火する騒ぎとなった。 赤羽駅での列車運行停止は山手線などにも影響が及んで次々と国電の列車運行が停止する事態となり、そのため、暴動が他の駅にも波及することとなった。
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