吉田保 リマスタリングシリーズ
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「吉田保 (レコーディングエンジニア)」の記事における「吉田保 リマスタリングシリーズ」の解説
2014年から2015年にかけてリリースされた、吉田によるリマスタリング・シリーズ。1982年にCDが発売されて以降、デジタル技術の進化により、CDに記録できる音圧は次第に大きくなっていった。しかし、記録できる最大レベルは一定のため、音圧を上げるほど、楽器や声の持つ本来のピーク・レベルをつぶす必要があった。1990年代後半、マスタリング作業にデジタル・コンプレッサーが導入されると、その効果により音圧が飛躍的に上がる一方、楽器が持つ本来の音の強弱や起伏も消す結果となった。そのため派手でクリアでいわゆる「良い音」に聴こえるかもしれないが、耳に負担がかかり、長時間聴くには適さない音になった。音圧競争がエスカレートする中、アナログの限界しか意識しないで作られた当時の作品のリマスタリングには、こうした流れに一考の余地がありそうだという。このシリーズは音圧を稼ぐだけのマスタリングと異なり、ピーク・レベルのコンプレッションを抑えることで、楽器の持つ本来の強弱やシンガーやプレイヤーの表現、そしてアナログ・レコードの臨場感を再現することを目的としたマスタリングが特徴。吉田が当時自身で録音した音はこうだった、あるいはこうあるべきだとの判断でリマスタリングされているため、近年マスタリングされた他のCDと比較すると音圧レベルが小さく感じられるかもしれないが、ボリュームを上げて聴き比べれば、力強くて芯がある音にもかかわらず耳にやさしい、アナログ・レコードのサウンドを想起させる音に仕上げられているという。 第1回13タイトル、第2回7タイトル、第3回6タイトル、第4回5タイトルのほか、杉真理1984年発表の通算6作目のアルバムが、リリース30周年記念盤として吉田による新規リマスタリングでリイシューされた。また、RAJIEのソニーミュージック音源5タイトルも、ブリッジから再発された。いずれも吉田による2014年および2015年リマスタリング音源を使用し、Blu-spec CD2フォーマットが採用された。
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