吉武輝子とは? わかりやすく解説

吉武輝子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/02 13:47 UTC 版)

吉武 輝子
(よしたけ てるこ)
1967年
誕生 (1931-07-27) 1931年7月27日
日本兵庫県芦屋市
死没 (2012-04-17) 2012年4月17日(80歳没)
最終学歴 慶應義塾大学文学部仏文学科
主な受賞歴 婦人公論読者賞(1969年)[1]
子供 宮子あずさ(長女)
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吉武 輝子(よしたけ てるこ、1931年(昭和6年)7月27日 - 2012年(平成24年)4月17日)は、日本の作家評論家。反戦平和、男女平等を主なテーマとしていた[2]。長女は看護師随筆家宮子あずさ

経歴

兵庫県芦屋市生まれ。終戦翌年の14歳の時、進駐軍兵士5人に襲われる性被害を受け、2度にわたる自殺未遂を経験する[3]東洋英和女学院高等部卒業[4]1954年3月、慶應義塾大学文学部仏文学科卒業。同年、東映に入社[5][6]。監督志望だったが広報部に配属され[2]、宣伝部で活躍し、1961年に日本で初めての女性宣伝プロデューサーとなる[1]。長女出産で、意に反する庶務に配置転換させられたのを機に退職[2]

フリーとなった以後は、旧社会党系の政治・市民運動に取り組む。1977年第11回参議院議員通常選挙全国区から無所属(社会党など推薦)で立候補するが落選している。また1986年12月16日に評論家樋口恵子とともに「土井たか子を支える会」を結成、翌87年1月20日には「土井委員長を囲む会」の代表に篠原一とともに選ばれた[7]

チェーンスモーカーであったため、晩年は肺炎を繰り返すようになり、シェーグレン症候群、慢性肺気腫、大腸癌、膠原病、慢性骨髄性白血病などを患い[2]、2012年4月17日、肺炎のために死去[8]。80歳没。

家族

父親は銀行員だったが、定年退職後55歳で自死[3]。夫は大学時代の演劇部仲間の宮古勝治。一人娘の長女は宮子あずさ[1]。2000年に夫が亡くなり、のちに選挙ボランティアだった24歳下の佐藤充と再婚した[9][2][10]

著書

  • あしたのOG像 文理書院, 1967.
  • 青春を生きる! 1968. 三一新書
  • 生きるあかしを求めて 私の愛と性の真実 実業之日本社, 1971.
  • 『結婚が変わる 自立する正と性』(1972年、大和書房)
  • キミたち女のコ サニー出版 1973 サニーブックス
  • 子どもたちへのおくりもの ひとりで生きるために 第三文明社, 1974 灯台ブックス
  • おんなのことは天下国家のことなのだ 櫂書房 1977.6. Books おんな
  • 結婚ってなあに ルック社, 1977.5.
  • 闘うおんなはやさしいおんな 櫂書房, 1977.5. Books おんな
  • やさしいエロス この指とまれ 住宅新報社, 1977.3.
  • 愛すれど孤独 女にやさしい女こそ PHP研究所 1978.10 のち文春文庫 
  • 愛のうしろ姿 スタートとしての結婚を考える PHP研究所 1979.10.
  • 『女が自分と向きあうとき 私のおんな白書』(1979年、海竜社)のち三笠書房知的生きかた文庫 
  • 女の子の伸ばし方 のびやかな子に育つために 学習研究社, 1980.11. 学研の家庭教育シリーズ
  • 首から下を子どもに返せ 母として、女としての生き方 学習研究社, 1980.5 学研の家庭教育シリーズ
  • のびのび子育ち12章 日本書籍, 1981.5.
  • ひとりっ子の育て方 こんな夫婦の子なら、りっぱに育つ 編著. 学習研究社, 1981.12学研の家庭教育シリーズ
  • 『やさしく紡ぐ女の年輪』(1983年、海竜社)「人生80年時代の新夫婦論」知的生きかた文庫 
  • 『女人 吉屋信子』(1983年、文藝春秋)のち文庫 
  • 『素敵に女の老い』(1984年、海竜社)
  • 『舞踏に死す ミュージカルの女王・高木徳子』(1985年、文藝春秋)
  • 危機の家庭 女・性・政治 未来社,1986.9.
  • わたしの姑支度 海竜社, 1986.8.
  • 『ウィークエンド・ラブ』(1987年、集英社文庫)
  • 『夫と妻の定年人生学』(1987年、海竜社)のち集英社文庫 
  • 『愛と誇りと―女・労働・文化』(1987年、未来社)
  • 『ブルースの女王 淡谷のり子』(1989年、文藝春秋)のち小学館文庫
  • 『女六十歳からの現役人生』(1989年、海竜社)
  • 加算式子育て論 明治図書出版, 1989.3
  • 『女三十五歳からの生き方 愛・仕事・人生』(1990年、海竜社)
  • 恋上手 素敵な女の愛し方愛され方 海竜社, 1991.11.
  • 『女五十代の生き方 いま華のとき』(1992年、海竜社)
  • 自立心を育てる教育 明治図書出版, 1993.6. シリーズ・教育をひらく
  • 大人になりたくなかったわたし ポプラ社 1994.8. 新・のびのび人生論
  • 『サリーに魅せられて 美の源流を訪ねる』(1994年、平河出版社)
  • 『死を受け容れて生きる 六十歳からの死生観』(1995年、海竜社)
  • 女四十代の生き方 いま行動のとき 海竜社, 1995.9.
  • ネコを愛する理由 1995.10. ハヤカワ文庫.
  • 『日本の家族を考える 女・男・家族のゆくえ』(1996年、ミネルヴァ書房)
  • 『死と生を見すえて 娘あずさへの手紙』(1996年、岩波書店)
  • 『定年後の夫の生き方・妻の生き方』(1997年、海竜社)
  • 『秋麗 家庭内別居34年の答え』(1998年、KSS出版)
  • 老いては子に逆らう わたしの老親修行 海竜社 1999.11 のち講談社+α文庫 
  • 『炎の画家 三岸節子』(1999年、文藝春秋)
  • 定年、気がつけば二人旅 夫と妻共歩き人生への再出発 ミネルヴァ書房, 2000.9
  • 『戦争の世紀を超えて わたくしが生きた昭和の時代』(2001年、春秋社)
  • 『老いては人生桜色』(2001年、集英社)のち文庫 
  • 『病んでも老いても人生は華 賞味期限なし』(2002年、海竜社)
  • 美しく老いを生きる知恵 伴侶の死からの出発 海竜社, 2003.12.
  • 「わたし」を生ききるために 知っておきたい一番たいせつなこと ポプラ社, 2004.4.
  • 『置き去り サハリン残留日本女性たちの六十年』(2005年、海竜社)
  • 『おんなたちの運動史 わたくしの生きた戦後』(2006年、ミネルヴァ書房)
  • 『生きる。一八〇日のあお空』(2006年、海竜社)
  • 死ぬまで幸福でいるための12ヵ条 講談社, 2008.11.
  • ひとりの老後を心楽しく生きる方法 海竜社,2008.7.
  • 病みながら老いる時代を生きる 2008.1. 岩波ブックレット
  • 101のひとみ 秋元良平 写真 教育画劇 2009.3.
  • 「私」が「わたくし」であることへ 吉武輝子対話集 パド・ウィメンズ・オフィス,2009.1.
  • 〈戦争の世紀〉を超えて わたくしが生きた昭和の時代 春秋社,2010.11.
  • 万病息災 老いても病んでも「元気」でいるコツ 講談社 2011.2.

共著

  • あなたの就職ガイド しあわせなOL生活を設計するために 貴島操子,樋口恵子共著 実務教育出版, 1969.
  • こうすれば女子社員を戦力化できる 管理者と男子社員のために 貴島操子,樋口恵子共著 実務教育出版, 1970.
  • 娘の言い分親の言い分 宮子あずさ共著 国土社 1986.1
  • 縁あって母娘 宮子あずさ共著. 労働旬報社 1996.12
  • 『定年後の人生』佐高信共著、岩波ブックレット、1997年
  • 自立に向かう女の子の育て方 宮子あずさ共著. 明治図書出版, 1998.8. シリーズ・教育をひらく 
  • セクシャルハラスメントとどう向き合うか 落合恵子共著 2001.8. 岩波ブックレット
  • 70代三人娘、元気の秘訣 俵萠子,樋口恵子共著 2007.7. 講談社+α新書
  • やるっきゃない! 吉武輝子が聞く土井たか子の人生 パド・ウィメンズ・オフィス,2009.11.

テレビドラマ出演

脚注

  1. ^ a b c “(惜別)作家・評論家、吉武輝子さん 七色のベールで時代に切り込む”. 朝日新聞: p. 夕刊 10. (2012年9月29日) 
  2. ^ a b c d e 「看護師として、病む母に一肌脱いで思うこと」~シェーグレン症候群を患った母・吉武輝子を見送って宮子あずさ、シェーグレンの会会報22号、2013.8.31
  3. ^ a b 高齢期は人生の“旬”吉武輝子さん定年時代、東京版 平成23年7月下旬号
  4. ^ 吉武輝子の戦争”. 遍照金剛. 2022年11月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月15日閲覧。
  5. ^ 【訃報】吉武輝子さんが逝去 | 農政・農協ニュース | JAcom 農業協同組合新聞”. www.jacom.or.jp. 2022年8月15日閲覧。
  6. ^ 元ウーマン・リブの闘士、吉武輝子さんのがんの封じ込め方を学ぶ 「病みながら生きる時代」を生き抜く発想力”. がんサポート. 2023年8月8日閲覧。
  7. ^ 日本労働年鑑第58集1988年版(労働旬報社)
  8. ^ 吉武輝子さん死去…女性問題中心に評論活動 読売新聞 2012年4月17日閲覧 [リンク切れ]
  9. ^ 『死ぬまで幸福でいるための12ヵ条』内容紹介吉武輝子、講談社、2008年11月21日
  10. ^ 40年前の選挙ほんわか博士生活 - 看護と著述とサルトルとby 宮子あずさ2017年11月13日

関連項目

外部リンク




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