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吉井幸蔵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/16 09:36 UTC 版)

吉井幸蔵

吉井 幸蔵(よしい こうぞう、1856年1月2日安政2年11月25日) - 1927年昭和2年)10月7日)は、日本海軍軍人政治家伯爵海軍少佐貴族院議員。水難救済会会長。

経歴

薩摩藩士・吉井友実の長男として生まれる。1869年イギリスへ私費留学。1872年に海軍生徒となり、アメリカドイツ、イギリスへ留学。1877年2月に帰国。1881年11月に海軍兵学校8期)を卒業し、1883年11月、海軍少尉任官。「比叡分隊長、軍事部、参謀本部海軍部第3局員などを経て、1886年7月から翌年6月まで海軍大臣西郷従道に随行してヨーロッパ各国へ出張する。

その後、海軍参謀部副官参謀本部出仕、欧州出張(有栖川宮威仁親王随行)、海軍参謀部第3課員、「扶桑分隊長、参謀本部出仕、参謀本部第3課員、「摩耶」「千代田」「磐城」の各分隊長などを歴任した。日清戦争では「秋津洲」分隊長として出征し、豊島沖海戦黄海海戦を戦う。1894年12月に海軍少佐に進級し「武蔵」副長となった。1895年侍従武官となり、同年12月に待命。1897年4月、予備役に編入された。同年5月、大日本帝国水難救済会第2代会長となり、以後死去するまでボランティアによる海難救助を目的とする同会の組織育成に尽くした。1905年11月1日に退役[1]

1891年5月、父の死去に伴い伯爵を襲爵。1897年4月15日、貴族院伯爵議員補欠選挙で当選し[2]1925年7月9日まで貴族院議員を務めた[3]。この間、1911年には鈴木商店が買収した神戸製鋼所の監査役に就任[4]。また、1922年5月、帝国農会に倣って組織された官製系統団体帝国水産会の初代会長となり、1927年までその地位にあった[5]

1926年4月20日、隠居した[6]。事業失敗による莫大な借金があり、角筈の邸宅も売却、家督を相続した吉井勇は負債を抱えた[7]

栄典・授章・授賞

位階
勲章等

家族親族

著作等

  • 「再び我が救済会の事業に就て」会長伯爵吉井幸蔵、帝国水難救済会機関誌『海』20、1906年10月25日
  • 「我水難救済事業発展の方針--慈善と徽章に就て」会長伯爵吉井幸蔵、帝国水難救済会機関誌『海』8年4号、1907年4月25日

脚注

  1. ^ 『官報』第6711号、明治38年11月10日。
  2. ^ 『貴族院要覧(丙)』昭和21年12月増訂、7頁。
  3. ^ 『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』31頁。
  4. ^ 神戸新聞の連載「遙かな海路 巨大商社・鈴木商店が残したもの」の第13回「『糸へん』事業の隆盛」をご紹介します。鈴木商店記念館、2016.8.21
  5. ^ 『大日本水産会百年史 前編』社団法人大日本水産会、1982年、133頁。
  6. ^ 『官報』第4099号、大正15年4月26日
  7. ^ 『遊草の二人 潤一郎と勇』真下五一、学芸書林、1977、p88
  8. ^ 『官報』第382号「賞勲叙任」1884年10月4日。
  9. ^ 『官報』第592号「叙任及辞令」1914年7月21日。
  10. ^ 『官報』第3430号「叙任及辞令」1894年12月3日。
  11. ^ 『官報』第3676号「叙任及辞令」1895年9月28日。
  12. ^ 『官報』第7272号「叙任及辞令」1907年9月23日。
  13. ^ 伊達紀隆人事興信録 6版、1921
  14. ^ 経済人 第148~153号、1960、p10

参考文献

  • 『貴族院要覧(丙)』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
  • 『帝国水難救済会五十年史』帝国水難救済会、1939年。
  • 『日本水難救済会100年史』日本水難救済会、1990年。
  • 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
  • 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。

外部リンク


日本の爵位
先代
吉井友実
伯爵
吉井(友実)家第2代
1891年 - 1926年
次代
吉井勇



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