司教団草案
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 10:46 UTC 版)
神学委員会が準備した「教会草案」が廃案となった後、新しい第2草案をめぐる激論が交わされた。 10月4日から同16日まで、教会の最高教導機関としての司教団(ordo episcoporum, collegium episcoporum) を認めるか否かが討論され、127人の教父が発言した。教父たちは3つの派に分かれた。 ローマ系の聖伝派:@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}神授の権利[要説明]により、教皇が全世界の教会の唯一の頭であり、教皇のみが最高権威を十全に満たす。ペトロはキリストの代理者(教皇)だからこそ、使徒団の頭である。司教団は公会議という例外において固有の行動を行使するのみで、全教会に対する神授の最高権威は無い。 急進リベラル派:司教たちは一つの団体を構成し、教皇は司教団の意見を参照して初めて決断を下すことが出来る。 穏健リベラル派:司教たちは一つの団体を構成し、頭である教皇に従い、教皇は司教団とは独立して別個の権能を行使する。ペトロは司教団の頭だからこそ、キリストの代理者である。神授の権利により、教会は恒常的に公会議状態である。教会は、教皇と、教皇と共にある司教団という2つの頭を持つ。 この問題の討議は、意見が明確に対立したまま打ち切られ、議事は次の議題に移った。 10月14日、運営委員会のスーネンスは司教団の問題を4点にしぼり、試験的投票を10月17日に行うと発表した。しかしフェリチ事務総長、議長団、調整委員会の保守派は票決に反対し、そのような投票を運営委員会が行うとは、調整委員会に対する越権行為であると見なしたのである。反対により10月17日の投票自体が行われなかった。 10月29日、運営委員会は試験的投票の課題を4点ではなく次の5点に改めて発表し、翌日に投票が実施された。 司教聖別の秘跡性[要説明] 司教の団体性 教会の最高教導機関としての司教団 司教の神的起源 恒久的聖職身分としての助祭 10月30日、試験的投票の結果、5点のいずれも3分の2以上の大多数を得た。オッタヴィアーニとブラウンは、この試験的投票は神学委員会を拘束する力がない、司教団に関する教えも確立されていないと反論した。
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