司令塔型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 15:05 UTC 版)
守備的MFの中でも特に司令塔的な役割を担う選手。比較的プレッシャーの弱い中盤の底から、広い視野と長短のパスを駆使して攻撃の指揮を執る。攻撃の開始となり、ラストパスではなく、それよりもひとつふたつ手前のパスを担当する場合が多いため、二手三手先まで先読みしゲームを組み立てる戦術眼と、長短のパスを自在にかつ正確に蹴り分ける技術が要求されるが、守備の役割は軽減される事も多く、プレッシャーも弱いポジションである事からフィジカルはさほど重要視されず、テクニックには優れるがフィジカルに劣るような選手も多い。役割や存在の呼称として「レジスタ」と呼ばれる事も多い。シャビ・エルナンデス、ブスケツ、フアン・セバスティアン・ベロン、ズボニミール・ボバン、ジュゼッペ・ジャンニーニ、デメトリオ・アルベルティーニ、アンドレア・ピルロなどが代表的な選手。 また日本では特に、生粋の司令塔型ボランチはほとんどおらず、攻撃的MFからポジションを下げてこの役割を務める選手が多い。理由の1つ目は、攻撃的MFにおいて自ら得点を狙う選手が多い欧米に対し、パスを出す役割の選手が多い日本人の場合、プロになってプレッシャーの厳しいトップ下で苦戦するよりも自由にパスが繰り出せるポジションであるボランチに移る事でパス能力を発揮しようとする事、2つ目の理由は、攻撃で自分の活躍を重視する若手時代から年齢を重ねるとフォアザチーム精神が成長し、守備や黒子役をキチンとこなせる様になり、守備の比率が増すボランチへ移動するケースが多い事、3つ目は、高校などでは優秀な選手は花形の攻撃的なポジションを担当するため、プロ入りする優秀選手は攻撃的ポジション出身が比較的多いが、フォーメーション上は攻撃的MF1、守備的MF2くらいの割合であるため、トップ下のポジション争いをするよりも、ボランチに生き場所を求めるため、などが考えられる。名波浩、中田英寿、小笠原満男、小野伸二、遠藤保仁、中村憲剛といった優れた能力を持つパサー達もまさにそうであり、またパサーではないが伊東輝悦、稲本潤一、長谷部誠らも3つ目の理由でボランチにコンバートしている。 国言語ポジション名読み意味英語圏 英 Deep-lying Playmaker ディープライイング・プレイメーカー イタリア 伊 Regista レジスタ 演出家、映画監督 スペイン 西 Pivote Organizador ピボーテ・オルガニサドール 組織するピボーテ
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