古代に話されていた言語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 16:30 UTC 版)
「スペインの言語」の記事における「古代に話されていた言語」の解説
「es:Lenguas prerromanas en la Península Ibérica」も参照 ローマ化以前の言語で現在も引き続き話されていると考えられている言語は、唯一バスク語で、この地にラテン語がもたらされて、以下の言語が消滅した: ケルティベリア語(celtíbero)-インド・ヨーロッパ語族のケルト語派. ケルティベリア語と関連付けられる言語、あるいは変種(方言)は、イベリア半島の中央部や、北部、西部で話されていたと考えられるが、物証が少なくはっきりしたことはわかっていない。 ルシタニア語(lusitano)-インド・ヨーロッパ語族の言語と考えられるが、系統関係については議論がある。現在最も支持されている説はケルト語系の言語であるが、ケルティベリア語とは異なるグループに属するというものである。ルシタニア人(lusitanos、ルシタニ人)は他のケルト系部族より早くからイベリア半島に定住していたため、他のケルト系言語より早くに分岐したとされる。ルシタニア人の近隣の部族ウェットーネース族(vetones)もインドヨーロッパ系の言語を話していたと考えられ、ルシタニア人とも関係があったとされる。 タルテソス語(スペイン語版)(tartésico)は、アンダルシーア地方西部にローマ以前に話されていた言語であるが、この言語の系統は不明であまりよくわかっていない。 アクィタニア語(スペイン語版)(aquitano)、この言語についても系統などはっきりしたことはわかっていないが、現代のバスク語はこの言語の末裔ではないかと考えられている。 イベリア語(ibero)、この言語についても系統は不明であるが、アクィタニア語との関係が取りざたされている(バスク=イベリア語説、vascoiberismo)。イベリア語はイベリア半島の東部で話されていた。 フェニキア語はセム語派の言語で、アイヴィーサ島のローマ化以前の言語で、フェニキアの植民地建設以降紀元前8世紀ごろまで話されていた。その後フェニキア語は紀元前3世紀ごろスペインに定住したカルタゴ人によって話された。 古代ギリシャ語諸方言(スペイン語版)は古典ギリシア語と親縁関係のある諸方言で、イベリア半島の地中海岸域の様々なギリシャの植民地で話されていた。 ラテン語は印欧語族のイタリック語派に属する言語で、ローマ人が紀元前218年に最初にイベリア半島に定住し、徐々に半島を征服し、紀元前17年最後の先住民を征服した。そのローマ人たちの言語がラテン語で、原住民社会のローマ化を通じてイベリア半島全体に広がっていった。そして新たなラテン語住民が誕生していった。ローマ帝政末期には、アクィタニア(es:Idioma aquitano参照)の一部などのローマの権力のおよばない中心地から離れたわずかな地域を除いて、すべての先住民言語はラテン語に置き換わった。アクイタニア語の後裔と考えられるバスク語を除き、現在スペインで話されている言語のすべてはラテン語、より正確には口語ラテン語(俗ラテン語)から派生したものである。ラテン語は現在でも学校教育の場などで学ばれている。また、数多くの碑文が残されており、教会での礼拝などでも使われている。
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