原理と反応とは? わかりやすく解説

原理と反応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/28 14:55 UTC 版)

フェーリング反応」の記事における「原理と反応」の解説

フェーリング液還元性物質ホルミル基を持つ物質等)を加えて加熱すると、酸化銅(I) (Cu2O) の赤色沈殿生成するというもので、還元性物質検出定量用いられる。なお、ギ酸ホルミル基有する通常の条件ではフェーリング反応示しにくい。これは、フェーリング液塩基性であるためギ酸電離し生じたギ酸イオン(II)イオンキレート錯体形成するためである。ベンズアルデヒドなどの芳香族アルデヒド通常フェーリング反応フェーリング液還元)を示しにくい。これはアルデヒド基COベンゼン二重結合との共鳴効果による安定化と、塩基性条件下ではベンジルアルコール安息香酸への不均化いわゆるカニッツァーロ反応の方が先行するためである。 R − CHO + 2 Cu 2 + + 4 OH − ⟶ R − COOH + Cu 2 O + 2 H 2 O {\displaystyle {\ce {R-CHO + 2Cu^2+ + 4OH- -> R-COOH + Cu2O + 2H2O}}} もしくは、 R − CHO + 2 Cu 2 + + NaOH + H 2 O ⟶ R − COONa + Cu 2 O + 4 H + {\displaystyle {\ce {R-CHO + 2Cu^2+ + NaOH +H2O -> R-COONa + Cu2O + 4H+}}} フェーリング液とはドイツ化学者ヘルマン・フォン・フェーリング1848年発明した試薬である。下記のA液・B液を使用直前等量混合する。なお、同様の原理を持つ試薬ベネジクト液別に存在し、それについては後述する。 A液: 硫酸銅(II)五水和物 CuSO4・5H2O 3.46g を 50.0mL に溶かす。 B液: 酒石酸カリウムナトリウムロッシェル塩)KOOCCH(OH)CH(OH)COONa 17.3g と水酸化ナトリウム NaOH 5.0g を 50.0mLに溶かす。 A液の(II)イオンは、B液の水酸化ナトリウムによって塩基性になると、一度水酸化銅(II)Cu(OH)2青白色沈殿生じてしまう。しかしB液にある酒石イオンによって安定な状態(キレート錯イオン)で深青色溶液となり、(II)イオン濃度低く保ちながらも溶液中のアルデヒドによって還元されやすくなるように工夫されている。 (II)イオン還元反応注目した半反応式 2 Cu 2 + + 2 OH − + 2 e − ⟶ Cu 2 O + H 2 O {\displaystyle {\ce {2Cu^2+ + 2OH- + 2e- -> Cu2O + H2O}}} アルデヒドなどの酸化反応注目した半反応式 R − CHO + 2 OH − ⟶ R − COOH + H 2 O + 2 e − {\displaystyle {\ce {R-CHO + 2OH- -> R-COOH + H2O + 2e-}}} なお、同じ原理利用した試薬であるベネジクト液は、糖以外の物質尿素)に反応したり、長期保存に耐えられない等といったフェーリング液欠点改良したのである反応鋭敏さではフェーリング液秀でている)。特徴としては、酒石酸カリウムナトリウム代わりにクエン酸ナトリウム用いている点である(還元性検出時に酸化銅(I)の赤褐色沈澱生じる点は同一)。

※この「原理と反応」の解説は、「フェーリング反応」の解説の一部です。
「原理と反応」を含む「フェーリング反応」の記事については、「フェーリング反応」の概要を参照ください。

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