原子中の電子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 17:18 UTC 版)
原子は、原子核と電子(核外電子)によって構成されている事が現在では分かっている。 古典論的には初め、1902年頃に原子は立方体状で電子はその8つの頂点に存在する、と言う立方体モデル(英語版)がギルバート・ルイスによって提唱されていたが、直後の1904年に正の電荷のスープの中に電子が散らばっていると言うブドウパンモデルがJ. J. トムソンによって提唱され、定着していた。しかし同年、電子は正電荷を帯びた原子核の周りを土星の環の様な形で回っている、と言う土星型原子モデルが長岡半太郎によって提唱され、更にこのモデルを参考に1911年、電子は原子核の周りを惑星の様に回っている、と言うラザフォードの原子模型をアーネスト・ラザフォードが提唱した為、このモデルが惑星型モデルとして定着した。しかし、これらの模型は様々な物理的矛盾を含んでいた為、その矛盾を解消すべく1913年に、電子は特定の量子条件や振動数条件を満たす電子軌道を回っている、と言うボーアの原子模型がニールス・ボーアによって提唱され、現在ではこのモデルが、電子は飛び飛びのエネルギー準位をもつ原子軌道を、通常は最も低いエネルギー準位の軌道から順に占有していく、と言う量子力学に基づいた原子模型へと発展し、用いられている。 核外電子のエネルギー準位と化学的な意味については「電子配置」を参照 ベータ崩壊の際に、原子核内で発生してそこから出てくる粒子線に含まれる粒子の内の一つが電子である。中性子が発見される以前は、原子核中に電子が存在するという「核内電子説」が存在したが、ベータ崩壊で原子核から飛び出してくる電子は原子核中に存在していたわけではなく、弱い相互作用の結果発生したものが放出されているに過ぎない。
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