原子レベルでの摩擦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 01:23 UTC 版)
詳細は「ナノトライボロジー」を参照 ナノマシンの設計では、接触している原子どうしをすれ違わせるのに必要な力を求めるのが課題となる。2008年、単一の原子を物体表面上で動かすのに必要な力が初めて測定された。超高真空中におかれた銅やプラチナの基板を低温(5 K)に冷却し、その上に置かれたコバルト原子や一酸化炭素分子を特製の原子間力顕微鏡によって動かす実験である。 原子スケールで平滑な面どうしが接触している場合、それぞれの面の原子配列が摩擦に大きな影響を与える。原子周期が整合した原子面どうしの接触では、一般に結合力(すなわち摩擦力)は強くなる。逆に原子周期が不整合である場合、すべての原子を同時にエネルギー的に安定な位置に置くことができないため、結合力が実質的にはたらかなくなることがある。たとえば(高配向性熱分解)グラファイトどうしや、タングステンとシリコンの清浄表面の接触で0.01以下の摩擦係数が観察されている。このように極度に摩擦が小さい状態は超潤滑(英語版)と呼ばれる:82-87。
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