原子の電子配置による説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 21:03 UTC 版)
「化学結合」の記事における「原子の電子配置による説明」の解説
詳細は「水素原子におけるシュレーディンガー方程式の解」、「量子数」、および「電子殻」を参照 分子内結合をさらに詳細を記述する為、電子軌道の量子数の概念を説明し、量子数を使って分子内結合を記述する。原子内の電子の軌道は、実際には量子力学に従っているため、軌道は「量子化されている」(=飛び飛びの値を取る)。電子の軌道は4種類の量子数という自然数値によって特徴づけられる。4つの量子数は、電子がK殻、L殻、M殻…のいずれに入るかを決める主量子数、殻の中のs軌道、p軌道、d軌道…のいずれに入るかを決める方位量子数、軌道角運動量、スピン角運動量がそれぞれ上向きか下向きかを決める磁気量子数、スピン量子数からなる。 分子内結合を記述する上で重要になるのは、同一原子中にある相異なる2つの電子の量子数が4つとも同一になる事はないという事実である(パウリの排他律)。よって原子中の異なる電子は異なる軌道にある事になり、例外はあるものの、基本的にはエネルギー状態が小さい軌道から順に電子が埋まっていく。 電子が1つ以上ある殻で、最も外側にあるものを原子価殻、もしくは最外殻といい、原子価殻にある電子を原子価殻電子もしくは最外殻電子という。 化学結合に関わるのは、基本的にエネルギー状態が高い不安定な軌道にある電子であり、それは主に最外殻電子である。パウリの排他原理により最外殻には有限個の原子しか入れない。最外殻に最大数の電子が入っている場合、最外殻は閉殻であるという。閉殻は安定した状態にあり、逆に言えば最外殻に余った電子がある場合は、その電子は電磁気力により他の原子の原子核に引き寄せられる。また最外殻に電子が足りていないなら、他の原子の最外殻に余っている電子を電磁気力で引きつけて足りない部分を補おうとする。
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