原子の立体的配置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 04:01 UTC 版)
他の2-アリールプロピオン酸誘導体(ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン他)と同様に、イブプロフェンはプロピオン酸部分のα位置に不斉炭素を持つため、それ自体に2つのそれぞれ異なる生物学的効果および代謝を持つイブプロフェンの鏡像体を持ちうる。 むしろ、試験管内および生体内の実験から(S)-(+)体 (dexibuprofen)が有効成分であることがわかった。 一般に、光学活性化合物を薬品として用いる場合、有効な鏡像体のみを投与することで選択性および有効性が高まることを期待するのは道理である(他のNSAIDであるナプロキセンのように)。 しかしながらイブプロフェンの場合、これまでの生体内試験では(R)体を有効な(S)体に変換する異性化酵素の存在が明らかになった。従って、単独の鏡像体で販売するのはコストに対して無意味で、市販されているイブプロフェンには両方の鏡像体の混合物(ラセミ体)が用いられている。
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