単環式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 08:33 UTC 版)
単環式のモノテルペノイドはほとんどがパラメンタン骨格を持つが、シクロプロパンやシクロブタン、シクロペンタン骨格を持つものも存在する。クリサンテモール(シクロプロパン)、グランジソール(シクロブタン)、ジュニオノン(シクロブタン)が例として挙げられる。におい閾値がもっとも低い化合物として知られるチオテルピネオールも単環式モノテルペノイドである。 シクロペンタン骨格を持つモノテルペノイドはおよそ200種ほど知られており、イリドイドやセコイリドイドに分類されている。イリドイドはイリドミルメクス属 (Iridomyrmex) のアリからはじめて単離された(数少ない非植物由来のテルペノイドである)ことからその名が付けられた。シクロペンタンにピロンが縮環した骨格を持ち、炭素数が5の倍数でないものも含まれる。イリドイドは月経困難症の手当てに使われるセイヨウニンジンボクの果実や、リウマチに効くとされるライオンゴロシなどに含まれる。 シクロヘキサン環を持つ単環性モノテルペンはさらにいくつかのグループに分けられる。炭化水素としてはメンタン、リモネン、フェランドレン、テルピノレン、テルピネン、シメンが最もよく知られている。メンタンは他のものに比べ天然に見出されることは少ない。リモネンは多くの植物に含まれ、テルピノレン、テルピネンも芳香成分として精油中に存在する。テルピノレンはシロアリの警告フェロモンでもある。フェランドレンはキャラウェイ、フェンネル、ユーカリなどに、シメンはサマーセイボリーなどに含有される。 メントールはハッカ油の主成分であり、鎮痛剤ほか多くの医療品に用いられる。ハッカ油にはプレゴールも含まれる。ピペリトールはユーカリやペパーミントに含まれる。テルピネオールは香気成分、カルベオールは柑橘類の精油成分である。チモールはタイムやオレガノの精油中に含まれる。ジヒドロカルベオールはキャラウェイ、コショウ、セロリ、ミントに含まれる。 メントンとプレゴン、およびそれらの鏡像異性体は、メントールと同じくハッカ油中に存在する。フェランドラールはセリ科の植物にみられる。カルボンやカルベノンはキャラウェイやイノンドに、ピペリトンはユーカリ精油に含まれる。 ユーカリプトール(1,8-シネオール)はエポキシ化合物である。殺菌剤としての効果を持ち、主にユーカリや月桂樹、あるいは1,4-シネオールとともにビャクシンに含まれる。アスカリドールはペルオキシド構造を持ち、アカザ属の植物にみられる。
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単環式
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単環式セスキテルペンは母体となる骨格によって、ビサボラン、ゲルマクラン、エレマン、フムラン誘導体に分けられる。 ビサボラン誘導体は植物中に存在する天然物として100種以上が知られている。ジンジベレンはショウガ精油に、ビサボレンはヒノキ属やマツ属の植物に含まれる。ビサボールはカモミールの精油から得られ、抗炎症薬としての作用を持つ。
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単環式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/08/16 19:05 UTC 版)
鎖長や二重結合の数が多くなると、環化の可能な数も増加するため、非常に広範な環状セスキテルペンが存在する。ショウガの油の成分であるジンギベレンで見られるような六員環に加え、鎖の一端がもう一端と環化することによって、フムレンのような大きな環もできる。
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