北天サーベイとは? わかりやすく解説

北天サーベイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/25 03:41 UTC 版)

エイベル・カタログ」の記事における「北天サーベイ」の解説

2712個のリッチな銀河団についてのオリジナルカタログは、当時カリフォルニア工科大学学んでいたジョージ・エイベルにより1958年出版された。このカタログエイベル博士論文一部をなし、エイベル主だった観測者一人であったパロマー天文台スカイサーベイ (POSS)で得られコダック103a-E 写真乾板上の像を肉眼精査することによって作成されたものであるもう一人主だった観測者であったアルバート・ジョージ・ウィルソン (Albert George Wilson) は、乾板出来上がるたびにそれをルーチン的に精査することで、サーベイ初期段階エイベルアシストしている。サーベイ完了後、エイベル再度写真乾板のさらに精密な精査実施している。どちらの場合も、精査3.5倍の拡大レンズ用いて行なわれた。 カタログへの掲載基準として、各銀河団次の基準満たすこととした: リッチネス: 銀河団は、m3 から m3+2 等級の間にあるメンバー銀河を最低50個含む必要がある (ここで m3 はその銀河団3番目に明る銀河等級を表す。従って m3+2 はそれより2等級暗い等級を表す)。適切なエラーマージンを確保するために、この基準厳格に適用されないこのため最終的なカタログではメンバー50個よりも少な銀河団多数含んでいる ( ただしこれらの銀河団は、エイベル同時に行なった統計的研究では除外されている)。 エイベルは m3 から m3+2 等級の間にあるメンバー銀河の数に基づいて銀河団6つの「リッチネス・グループ」に分類した (カタログ全体では、1つ銀河団属す銀河数の平均64であった)。Group 0: 30-49 個 Group 1: 50-79 個 Group 2: 80-129 個 Group 3: 130-199 個 Group 4: 200-299 個 Group 5: 299 個以上 コンパクト性: 銀河団は、その銀河団中心から、ある「計数半径」の範囲内に、50個以上のメンバーを含む程度コンパクトなければならない。この半径は「エイベル半径」として知られており、銀河団赤方偏移を z として 1.72/z 分角、または 1.5h-1 メガパーセクとして定義される。ここで、h は無次元のスケール・パラメーターであり、通常0.5 から 1の間の値を取る。H0ハッブル定数 (単位s-1 Mpc-1 )として、h = H0/100 である。正確なエイベル半径パラメーター h の取り方に依存する。h = 0.75仮定すると (これは H0 = 75 km s-1 Mpc-1 と仮定することに等しい)、エイベル半径は2メガパーセク (650万光年) となる。この値は、エイベル1958年見積もった値の2倍以上であるが、これは、当時 H0 は 180 km s-1 Mpc-1 程度考えられていたためである。. 距離: 銀河団公称赤方偏移は0.02から0.2の間になけれならない (これは後退速度が6,000から60,000 km/s の間にあることを意味する)。H0 = 180 km s-1 Mpc-1 と仮定した場合、これらの値はそれぞれ33330メガパーセク (約1億光年10億光年) の距離に相当する。ただし、現在の H0推定値 (約71 km s-1 Mpc-1) を用いると、エイベルの上限と下限の値は約85850メガパーセク (約2.7億光年27光年) の距離に相当することになる。ところで、現在までにカタログ銀河団多数は、実際にはこの値よりもさらに遠くあることが示されており、中には z = 0.4 (約1700メガパーセク54光年) に達するものもある。エイベル銀河団中で10番目に明るメンバー銀河等級に従って銀河団7つの「距離グループ」に分類したGroup 1: 13.3-14.0 等級 Group 2: 14.1-14.8 等級 Group 3: 14.9-15.6 等級 Group 4: 15.7-16.4 等級 Group 5: 16.5-17.2 等級 Group 6: 17.3-18.0 等級 Group 7: 18.0 等級以下 銀河緯度: 天の川に近い星野は、その領域における星の密度が高すぎ (銀河面吸収帯による障害のことを言っているのではない)、銀河団確実に同定することが困難なため、研究から除外された。リッチネス基準同様に、この基準厳格に適用されず、銀河平面の中あるいは近くにあっても、他の基準照らして真正な銀河団であるとエイベル納得したいくつかの銀河団カタログ含まれている。 出版されオリジナルカタログでは、銀河団赤経昇順リストされていた。赤道座標 (赤経赤緯)は、1885年分点 (「ボン掃天星表」 (Bonner Durchmusterung)の元期) について、銀河座標1900年版についての値が与えられている。 各銀河団については次の値も添えられている。 地球歳差による位置変動率 10番目に明るメンバー銀河視等級 距離グループ リッチネス

※この「北天サーベイ」の解説は、「エイベル・カタログ」の解説の一部です。
「北天サーベイ」を含む「エイベル・カタログ」の記事については、「エイベル・カタログ」の概要を参照ください。

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