パロマー天文台スカイサーベイ
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「パロマー天文台」の記事における「パロマー天文台スカイサーベイ」の解説
パロマー天文台スカイサーベイ(Palomar Observatory Sky Survey, POSS)はナショナルジオグラフィック協会の出資によって行なわれ、1958年に完了したプロジェクトである。最初の乾板は1948年11月に撮影され、1958年4月に完了した。このサーベイ観測はスペクトロスコピック感光材料による14インチ2(6度2)の写真乾板を用い、48インチ (1.22m) サミュエル・オシンシュミット式望遠鏡を使って行なわれた。このサーベイでは赤緯+90°(天の北極)から-27°までの全ての赤経にわたって、+22等級の感度(人間の肉眼の限界のおよそ100万分の1の明るさ)で撮影された。1957年から1958年にかけて、POSS の撮影範囲を南天に赤緯-33°まで広げた拡張版の撮影が行なわれた。最終的に完成した POSS はコダックの103a-Oによる青色域写真、コダック103a-Eによる赤色域写真からなり、937組の乾板で構成されている。 オーストラリアの電波天文学者 J. B. ホワイトオークは同じ撮影機材を使ってこのサーベイをさらに南の赤緯-45°まで拡張した。彼は北天の POSS の対応する赤緯領域と同じ視野中心位置を採用して撮影を行なったが、このホワイトオーク拡張版サーベイは POSS とは異なりコダック103a-Eによる赤色域写真乾板のみからなっている。 2ミクロンスカイサーベイ (2MASS) が完成するまで、POSS は最も広い領域をカバーする広角スカイサーベイだった。スローン・デジタル・スカイサーベイ (SDSS) が完了すれば感度の点では POSS をしのぐものになるはずだが、POSS は SDSS の約2.5倍の天域をカバーしている。POSS は写真乾板をスキャンしたデジタルデータ形式でも存在しており、デジタル画像としてはデジタイズド・スカイ・サーベイ (DSS) が、またカタログ形式としてはミネソタ自動乾板スキャナカタログ (Minnesota Automated Plate Scanner (MAPS) Catalog) が利用できる。
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