創造産業の範囲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/11 03:41 UTC 版)
英国の文化・メディア・スポーツ省(DCMS)は、創造産業を次のように定義している。 「個人の創造性や技能、才能に由来し、また知的財産権の開発を通して富と雇用を創出しうる産業」 文化・メディア・スポーツ省は、創造産業に以下の部門を含めている。 広告 放送 デザイン建築デザイン コミュニケーション・デザイン デザイナー・ファッション 編集、批評、報道 映画、ビデオ産業 美術・イラストレーション ゲーム開発 手芸骨董品および修復市場 音楽産業 舞台芸術 出版 ソフトウェア開発、コンピュータ・サービス 文化・メディア・スポーツ省による定義は影響力が大きく、他国政府でもこれを公式に採用しているところもある。しかしながら未熟な定義であるという批評も受けている。 第一に、これらの部門分けはライフスタイル産業、非営利事業、大企業によるビッグビジネスなど、創造活動の規模や形態の差を考慮に入れていないこと、また政府による補助金を受けている部門(例・映画産業)と、補助のない部門(例・ビデオゲーム産業)などの差も考慮外であることが批判されている。 また骨董品市場を含めることにはしばしば疑問が呈される。これは単に取引であり、新たな価値の生産には寄与していないというものである。またコンピュータ関係の産業を含めることも疑問視されている。 中華人民共和国特別行政区の香港など複数の政府では、文化政策にあたり、物品やコンテンツの生産から販売までのバリュー・チェーンの中で著作権を有する部門に焦点を当てているところもある。これらの政府は世界知的所有権機関(WIPO)による分類(創造産業を、コンテンツ生産から販売までにかかわる企業の中で、著作権を所有する者に限定する)を適用している。 また、これらの産業を2つに分類するよう主張する者もいる。これによれば大量消費と大量供給により大衆に開かれる文化産業(映画、テレビドラマなど映像作品、コンピュータゲーム、放送、出版)、および手作業により生産され特定の場所・特定の時間でのみ消費が可能な文化産業(視覚芸術、舞台芸術、文化遺産など)の区別がなされる。
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