前史:夢遊・二重意識・ヒステリーとは? わかりやすく解説

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前史:夢遊・二重意識・ヒステリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 00:07 UTC 版)

解離性同一性障害」の記事における「前史:夢遊・二重意識・ヒステリー」の解説

18世紀から19世紀にかけてのヨーロッパで今日解離やDIDに相当するものは「夢遊」とも「二重意識」「人格二重化」ともいわれた。「夢遊」というと眠ったまま歩く」のイメージがあるが、ドゥニ・ディドロ (Diderot,D.) の『百科全書』(1765年 - 1766年)の「夢遊」の項には「深い眠り落ちるが、・・・話し書きなど様々な行動をとり、ときには普段より知的的確な様子を示す」とある。また、ハーバート・メイヨー (Mayo,H.) の1834年版の生理学教科書にある症例は「二重意識」のプロトタイプでもある。「二重意識」は19世紀大半における診断名のひとつになったブロイアー (Breuer,J.) はフロイトとの共著ヒステリー研究』の中で、アンナ・O の症状を「二つ意識状態の交代」と呼び、「彼女は一方の状態(第一状態)において我々他の者たち同じく1881年から1882年にかけての冬を生き、しかし第二状態においては1880年から1881年にかけての冬を生きていたのであり、そして第二状態ではその冬以降起きたことの全てのことが忘れられていた」と述べている。 19世紀後半にはフランス精神科医ヒステリー症状研究の中でとらえられていた。特にパリのサルベトリエール病院シャルコー (Charcot) が有名で、ジャネ (Janet,P) やフロイトその影響受けている。「解離」という概念命名はそのジャネである。ジャネ1889年著書心理自動症』の中で「意識解離」を論じ、「ある種心理現象特殊な一群をなして忘れさられるのような状態」を「解離による下意識」と呼びその結果生じる諸症状ヒステリーであるとした。そして現在のDIDと全く同じ意味で「継続的複数存在」を論じ、その心理規制を「心理的解離」と呼んだ。同じフランス心理学者知能検査創案者として知られるアルフレッド・ビネー (Binet.A) も、1896年の『人格変容』の中で「互いに相手知らない二つ意識状態の精神中における共存」と、現在の DIDに通じ概念論じている。

※この「前史:夢遊・二重意識・ヒステリー」の解説は、「解離性同一性障害」の解説の一部です。
「前史:夢遊・二重意識・ヒステリー」を含む「解離性同一性障害」の記事については、「解離性同一性障害」の概要を参照ください。

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