別刷として添付される“月報”とは? わかりやすく解説

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別刷として添付される“月報”

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/04 04:15 UTC 版)

月報」の記事における「別刷として添付される“月報”」の解説

月報という名称は、文学全集などの連続して刊行される出版物に、別刷として同梱され印刷物総称として使用される1920年代後半改造社春陽堂とによって、日本ではじめての本格的な文学全集企画された。(定価1円モットーとしたので、円本呼ばれた両者予約販売などの購読獲得のためにいろいろな宣伝戦略こころみたが、その中で両社付録としてはさみこみの小冊子改造社は「改造社文学月報」、春陽堂は「春陽堂月報」と名乗った)を毎月添付し、その巻に収められ作家逸話研究ノートなどを掲載した。これが月報のはじめといわれている。その後岩波書店漱石全集1928年)にも月報添付されたことから、各種全集には月報添付することが日本出版界ならわしとなった。 なお、“月報”と呼ばれても、刊行頻度が必ず月刊ではない。また、月報」の代わりに、「付録」や「栞」などのネーミング見られるし、そのほかには「新釈漢文大系季報」や機関紙役割を果たす史料纂集会報」などもある。それ以外には、「決定版梶井基次郎全集」の「檸檬通信」(れもんつうしん)や「水木しげる漫画大全集」の「茂新報」などの自立タイトルを持つ月報もある。 月報には、その巻と叢書関係したさまざまな資料掲載される研究ノート学術的随筆年譜目録伝記的回想編集ノート執筆者紹介正誤表総目次、そして他の巻の広告などである。その中で新しい知見披露されることも多く、ほかの書籍収録されることのない研究者必読文献とされている。図書館蔵書管理において、紛失破棄されることが少なくない国立国会図書館所蔵する月報目録出版されたが、現在月報記事専用索引などが存在しない月報掲載長編がまとめられ単行本として出版されることも多い。石川淳鴎外全集1971年から1975年岩波書店)に掲載したエッセイが『前賢余韻』としてまとめられたり、平凡社中国古典文学大系1967年から1975年)の月報掲載文章から選択して中国古典文学への招待』を編んだしたことがその例である。2012年には、講談社文芸文庫絶版となった個人全集とともに発行されていた月報記事編んで、『個人全集月報集 安章太郎全集 吉行淳之介全集 庄野潤三全集をもって個人全集月報集」シリーズ発行し始めた2014年末まで既刊3冊)。また、新潮文庫でも、小林秀雄全集月報から選択した文集『この人を見よ』2015年1月刊行した

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