初期トラブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 16:55 UTC 版)
営業運転前の試運転が不十分だったため、営業運転開始後は故障が続発し、頻繁に運転打ち切りが発生するなど、のぞみ301号の名古屋飛ばしとともにマスコミから連日クローズアップされることになった。走行不能に陥って運転が打ち切りになるなど深刻な事態に発展するケースもしばしば発生し、連日マスコミから強く非難された。 営業開始から4月25日までの1ヵ月半の間に183件(J2編成:48件〈そのうち主変換装置6件〉、J3編成68件〈そのうち主変換装置29件、ATC3件〉、J4編成55件〈そのうち主変換装置9件、ATC1件〉、J5編成12件〈そのうち主変換装置6件、ATC3件〉)ものトラブルが発生した。 1992年5月6日には名古屋駅 - 三河安城駅間を190 km/hで走行中の「ひかり238号」(新大阪発東京行き・J4編成)で主電動機を固定するボルトが折損し、4時間立ち往生するトラブルが発生した。これは最悪の場合高速走行中にモーターが線路に脱落し、大惨事に繋がる恐れのある重大インシデントであった。 さらに、1993年4月4日に岐阜羽島駅を通過中の「のぞみ号」の風圧で飛散したバラストが上りホームの乗客の右膝に当たり、4月30日には上下線の「のぞみ号」がすれ違い通過中に飛散したバラストが上りホームの乗客の額に当たる事故も発生した。このため、通過駅でバラストの飛散対策防止剤を散布するなどの対策に追われた。 また、この他にもネジの長さが足らずマスコンハンドルが外れたり(川崎重工の施工ミス)、パンタグラフの取り付けボルトの落下、台車の異常を知らせるランプの誤作動など準備不足が原因のトラブルが多数発生した。
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