折りたたみ式プロペラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/12 03:06 UTC 版)
「模型航空機のプロペラ」の記事における「折りたたみ式プロペラ」の解説
プロペラは空転しても大きな正面積を曝しているので大きな抵抗になり、特にピッチ比の小さいプロペラの場合は固定状態に比べて大差がなかった。プロペラ・ブレードを後方に折りたたみ、気流に平行にして正面積を激減させる「折りたたみプロペラ」が抜本的に有効である。折りたたみ式の効果は自明であり1930年代から試みられていたが、メカニズムの開発途上においては重く、狂いやすく、プロペラとしての性能が低下した。そのために、競技の実戦では軽量・確実な空転式プロペラに負けることがあった。 折りたたみ式プロペラの構造は、プロペラ・ブレードを中心近くにヒンジ(蝶番)をつけて、後方に90度折りたためるようにしたものである。初期には、固定式・空転式と同様にプロペラ・ブレードを一木(いちぼく)つくりで削り、その中心部後方に真鍮板で作ったヒンジを貼り付け、ヒンジの軸になる針金を外側に延長してブレードの根元に固定して、最後にヒンジ軸のところからプロペラ木部を切断するという方式が採られた。 初期トラブルとして、ヒンジのガタつき誤差が大きく、ピッチが狂ったり、両方のブレードがまっすぐにならなくて振動を起こしたり、プロペラ本来の機能や推進効率を阻害した。。 初期の折りたたみプロペラでは従来の固定プロペラの工法が踏襲され、一木つくりで全体を一体に仕上げることが、プロペラの精度やバランスを担保する方法と考えられてきた。折りたたみプロペラが普及した1950年代後半になると、両ブレードと、中心のヒンジの付いたプロペラハブが、独立した3部品と考えられるようになり、別々に製作されるようになった。プロペラの精度とバランスは、ブレードをハブに取り付け一体化する工程の組み立てジグによって担保されるようになった。
※この「折りたたみ式プロペラ」の解説は、「模型航空機のプロペラ」の解説の一部です。
「折りたたみ式プロペラ」を含む「模型航空機のプロペラ」の記事については、「模型航空機のプロペラ」の概要を参照ください。
- 折りたたみ式プロペラのページへのリンク