分布・構造とは? わかりやすく解説

分布・構造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 06:37 UTC 版)

リボソーム」の記事における「分布・構造」の解説

リボソームは、RNA情報からタンパク質合成するという容易ならざる作業正確に行うため、大きく複雑な構造体となっている。リボソーム50種類上のタンパク質と、少なくとも3種類のRNA分子から構成され分子量としては大腸菌では2.7 MDa哺乳類では4.6 MDaにもなる。またミトコンドリア葉緑体独自に真正細菌のものと類似したリボソームをもつ。真正細菌古細菌には細胞核がない。つまり転写と翻訳が同区画行われるため、リボソーム転写されている mRNA速やかに集まり翻訳開始する真正細菌古細菌平均的な翻訳速度毎秒20アミノ酸で、mRNAにおける60ヌクレオチドである。この値はRNAポリメラーゼによる合成速度である毎秒50100ヌクレオチドに近い。真核生物では細胞質核膜によって隔てられているため、mRNA様々な修飾受けた後、リボソームのある細胞質へと移行する必要がある真核生物の翻訳毎秒2〜4アミノ酸というゆっくりした速度で進む。 一本mRNA複数リボソーム連結した状態をポリリボソームpolyribosome)またはポリソームpolysome)と呼ぶ。小胞体のうち、粗面小胞体上にはリボソーム大量に結合している。 リボソームリボソームRNAリボソームタンパク質複合体である大小2つサブユニットからなりそれぞれのサブユニット遠心力をかけたときの沈降速度によって名づけられている。沈降速度使われる単位スベドベリSvedberg略してS)で、Sが大きいほど沈降速度速い真正細菌古細菌では小さサブユニットは30Sサブユニット大きサブユニットは50Sサブユニット呼ばれ、この2つからなる完全なリボソーム70Sリボソーム呼ばれる。30Sと50Sからなるリボソームがなぜ80Sではなく70Sなのかというと沈降速度質量形態両方で決まるためである。真核生物リボソームは少し大きく、40Sサブユニット60Sサブユニットからなりあわせて80Sリボソームとなる。スベドベリ単位rRNA区別するのにも使われる。たとえば真核生物60Sサブユニットには160ヌクレオチド120ヌクレオチド、4700ヌクレオチド3種rRNA含まれるが、それぞれ5.8S rRNA5S rRNA28S rRNA呼ばれるリボソーム基本的な機能は全生物おおむね共通するが、構造は各ドメインや界ごとに少しずつ異なる。例え古細菌真正細菌で23S rRNA呼ばれるRNAは、真核生物では二つ分かれており、28S rRNA5.8S rRNA呼ばれるタンパク質真正細菌57ユーリ古細菌63クレン古細菌68真核生物78真正細菌のものが他の生物とやや異なる。真核生物古細菌のものをほぼ引き継ぐ67タンパク質共通する)が、新たに11タンパク質追加されている。

※この「分布・構造」の解説は、「リボソーム」の解説の一部です。
「分布・構造」を含む「リボソーム」の記事については、「リボソーム」の概要を参照ください。

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