分布、渡り、生息地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 09:01 UTC 版)
「ヨーロッパシジュウカラ」の記事における「分布、渡り、生息地」の解説
ヨーロッパシジュウカラは、アイスランドとスカンジナビア北部を除くヨーロッパ全域に分布しており、数多くの地中海諸島でも見られる。北アフリカではモロッコ、アルジェリア、チュニジアに生息している。また中東全域と中央アジアの一部(イラン北部やアフガニスタンからモンゴルまで)それとウラル山地から東に中国北部やアムール渓谷までの北アジア全域で見られる。 ヨーロッパシジュウカラは生息地が広範に及ぶ。最も一般的には開いた落葉樹林、混合森林、森林の端や庭園で見られる。針葉樹林を含む密林では木々の開けた場所を好む。シベリア北部では亜寒帯のタイガに生息している。北アフリカではオークの森だけでなくアトラス杉の木立やヤシの木立に生息している。シベリアやモンゴルや中国など範囲東側では、河川部の柳や白樺の森を好む。柳の河川部森林やポプラは特にトルキスタン亜種の生息地であり、低木地やオアシスも同様である。高地では、密集した落葉樹林や針葉樹林から樹木が点在する開けた場所まで、生息地が広範に及ぶ。 一般的にヨーロッパシジュウカラは渡り鳥ではない。つがいは通常、生息域の北部であっても一年じゅう自分達の縄張り内やその近辺に残る。若鳥は両親の縄張りから離れるが、通常は遠くに行かない。群れは、餌のない厳冬に渡りをする場合があり、最大1000羽の集団が北ヨーロッパからバルト海やオランダやイギリスまで、遠くは南のバルカン半島にまで移動する場合がある。 ヨーロッパシジュウカラは、アメリカ合衆国への導入がうまくできなかったた。この鳥は1872年から1874年にかけてオハイオ州シンシナティ付近に放鳥されたが、定着しなかった。彼らがコドリンガを抑制する優れた手段であるとの提案は、特に米国で複数の新たな地域への導入につながる寸前だったが、この計画は実施されなかった。北中西部での小群が2002年にシカゴで放鳥された鳥の子孫と考えられており、ゴシキヒワ、カケス、ズアオアトリ、アオカワラヒワ、キンノジコ、アオガラ、ムネアカヒワと共生している。1960-61年に現カザフスタンのアルマトイ州にこの鳥が導入され、定着したものの現状は良く分かっていない。
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