内容の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/08/31 04:56 UTC 版)
当初より少年雑誌は少年が好むであろう冒険活劇を主体とした作品が多く、またサイエンス・フィクション(SF)調の作品も好まれている。読者層のかっこいいものへの憧れや遊び方を反映して、古くは異国情緒あふれる冒険もの、あるいは日本軍を主体とした軍事物や戦記物が取り上げられ、日本が豊かになるにつれてスポーツ選手・自動車・テレビゲームなどを特集や漫画などの形でとりあげてきた。 テーマ的には努力・根性・友情といった物が定番であったが、1980年前後からは当時の社会風潮とも言われたさめたムードの中でしばしば揶揄の対象ともなっており、過剰な根性論は廃れ現代の実利的価値観を反映したものになっている。 近年では多発する動物虐待や凶悪犯罪(快楽殺人事件)への警戒から、出版側でも自主規制でそのような描写を作者側に避けるよう指示する傾向も見られる。一部では憎むべきキャラクター(→勧善懲悪)を演出するためによりあざとい残虐描写を取り入れる作品も見られ、また現代では希薄と成った「生と死」というテーマを挙げる作品もあるがその描写が保護者層などに問題視されるという現象も見られる。 少年雑誌に限ったことではないが現代の漫画家は一種の制作プロダクション状態にあり、多数のアシスタントを擁するのが一般的である。安定した作品供給が求められている事や、緻密な描写の作品が好まれる傾向もあって漫画作品の制作風景は従来の職人芸・芸術的な活動から分業生産体制に移行している。その一端にはおたく市場の拡大にも伴い、同人誌活動をしていた側からの人員調達が容易となった社会背景の変化も関連付けられるといえる。 1970年前後に永井豪らの作品中にあった性的な内容を含む描写が大きな議論を呼んだが、1980年代頃からの水着アイドルのグラビア掲載(→グラビアアイドル)という傾向もみられる。現在は高年齢層の読者が多く青年漫画誌に移行して、少年漫画誌の性的描写は控えめになる傾向にある。
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