幼児期の独り言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/14 06:46 UTC 版)
遊びの場面や、難しい課題を与えられた場面などで、幼児は周囲の状況に関係なく発話する。ジャン・ピアジェはこのような非社会的な言語活動を自己中心語と呼んだ。自己中心語は幼児期の特徴である自己中心性の反映であり、ピアジェは幼児のひとりごとを伝達の意図を持った社会的発話の未発達なかたちと考えた。 レフ・ヴィゴツキーは、言葉はそもそも他者とのコミュニケーションの道具である外言(external speech)として発生すると考えた。やがて子どもの発達と共に語彙力や構文が複雑化すると、言葉には思考の道具という新たな機能が加わる。思考上の発話を伴わない内面化された言語活動を内言(inner speech)と呼ぶ。外言と内言の分化は幼児期に始まるが、分化が不十分な時期には思考に発声が伴ってしまう。このような不完全な内言が幼児期のひとりごとであるという。 幼児のひとりごとは5、6歳のころに最も多く見られ、内言が形成される8歳くらいでほとんど見られなくなる。内言の形成過程では、出現する語の省略や構文の単純化といった発話内容の変化も同時に進行する。
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