幼児期と論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 15:26 UTC 版)
2007年12月11日、フロッケはニュルンベルク動物園で生まれた。両親は2002年モスクワ生まれのヴェラと、2001年ウィーン生まれのフェリクスだった。フェリクスはヴェラの姉妹であるヴィルマともつがいになり、ヴィルマは11月にヴェラよりも数週間早く出産し、公式には2頭の仔を産んだと考えられている。動物園には厳しい非干渉方針があり、飼育係は仔グマが何頭生まれたのか正確に特定することができなかった。報道によれば、動物園は前年に国際的に有名になったベルリン動物園のホッキョクグマクヌートのように、仔グマの周囲でメディアが大騒ぎする事態を起こすことを望んではいなかった。動物園が非干渉方針を再主張した数日後、日刊新聞のビルトが『Why Won't Anyone Save the Cute Baby Knuts in Nuremberg Zoo? (訳:誰かニュルンベルク動物園の可愛い赤ちゃんクヌートを助けてあげて)』という見出しで記事を掲載した。 1月の初め、動物園の飼育係はヴィルマが神経質になっているように見えると気が付いた。ヴィルマが餌入れを激しくひっかいているのが見え、仔グマがいる徴候はなかった。彼女は自分の仔を食べ殺してしまったのだと考えられている。理由を質問されると、ニュルンベルク動物園の園長ダグ・エンケ (Dag Encke) は仔グマは病気になってしまった可能性があると述べ、野生のホッキョクグマは同様のケースでしばしば自分の仔を食べてしまうのだと続けた。動物園はすぐに、ドイツや世界のメディアから仔グマを死なせてしまっただろうことを厳しく批判された。ドイツ動物保護協会の会長は動物園の行動は無責任だと言い、「(動物園には)ホッキョクグマの仔に生きる機会を与えようと行動しなければならないという倫理的責任があった。介入が遅すぎた弁解に『That's Nature』の主張を使うのは皮肉で不適切だ」と述べた。怒った来園者たちはホッキョクグマの飼育場所の前に集まり、ヴィルマが姿を現す度に「Rabenmutter」(ドイツ語で「evil mother」、すなわち悪い、邪悪な母親」の意)と叫んだ。 一方、ヴェラは住処から出て初めて姿を現した。彼女が産んだ仔グマは1匹で、わずか4週齢で母親の世話を受けていなかったが、健康そうに見えた。ヴィルマの仔がいなくなったことにメディアが反発してから数日後、ヴェラは奇妙な行動を見せ始めた。まだ名前のない自分の仔を運んで飼育場所の中を動き回ったり、繰り返し固い岩の床に落としたりしたのだ。仔グマの安全を考慮して、ニュルンベルク動物園は仔グマを母親から引き離して飼育係が育てるという物議を醸す結論を下した。
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