公聴会の実施と成果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/30 22:55 UTC 版)
「キーフォーヴァー委員会」の記事における「公聴会の実施と成果」の解説
バークリーは上院議長として委員会のメンバーを選ぶ権限を与えられ、以下の人選を行った。 ハーバート・オコナー(メリーランド州) レスター・C・ハント(ワイオミング州) アレクサンダー・ワイリー(ウィスコンシン州) チャールズ・W・トビー(ニューハンプシャー州) キーフォーヴァー委員会は全米14の主要都市で公聴会を開き、600人以上の証人が証言を行った。この公聴会の多くは全国にライブでテレビ放映され、国民の多くが国内における組織犯罪の影響を垣間見ることになった。委員会で証言を行った悪名高い人物としては、トニー・アッカルド、ルイス・カンパーニャ、ミッキー・コーエン、ウィリー・モレッティ、フランク・コステロ、ジェイク・グージック、マイヤー・ランスキー、ポール・リッカ、ヴァージニア・ヒル(ジョー・アドニス及びベンジャミン・シーゲルの愛人)、また、元警官でアイリッシュマフィアのボスであるイーノック・L・ジョンソンも呼ばれた[要出典]。 キーフォーヴァー委員会における公聴会の多くは、強い同族意識を持つシチリアやイタリア系の犯罪組織(マフィア、コーサ・ノストラ)が、アメリカ国内で大規模な組織犯罪の中心的役割を果たしていることを証明することが目的であったが、この達成には至らなかった。一方で、イタリア系に限らない国籍や民族あるいは宗教といった繋がりで集まった犯罪組織が各地域ごとにあり、彼らによって緩やかに統制された犯罪シンジケートが運営されていた実態を明らかにした。1951年4月17日に提出された委員会の最終報告には、連邦政府に対して22の勧告と、州及び地方当局に対する7つの勧告が含まれていた。 報告書に書かれた推奨事項は以下の通り。 司法省内で「犯罪対策チーム(racket squad)」の設置 連邦レベルでの常設の犯罪対策委員会の設置 州を跨ぐ組織犯罪に対する司法委員会の管轄権の拡大 連邦政府による犯罪社会学の研究 ラジオ、テレビ、通信、電話による賭博の禁止 州および地方の犯罪対策委員会の設置 司法省から要請されている組織犯罪の長と疑われる33人に対する個別調査、及び起訴 委員会の働きによっていくつかの重要な成果がもたらされた。最も注目されたのは、ジョン・エドガー・フーヴァー率いる連邦捜査局(FBI)が、全国規模の犯罪シンジケートの存在に対してほぼ何もしていないことであった。また全国的な賭博合法化の動きの影には犯罪組織が関与していたことも明らかとなり、数年間はこうした動きは凍結され、委員会の勧告にしたがった州や地方自治体で70を超える犯罪対策委員会が設立された。キーフォーヴァー委員会は民法を改正し、連邦政府による組織犯罪対策を可能とすることも最初に提案した。これは最終的に1970年のRICO法(Racketeer Influenced and Corrupt Organizations Act)の成立に至った。
※この「公聴会の実施と成果」の解説は、「キーフォーヴァー委員会」の解説の一部です。
「公聴会の実施と成果」を含む「キーフォーヴァー委員会」の記事については、「キーフォーヴァー委員会」の概要を参照ください。
- 公聴会の実施と成果のページへのリンク