全線開通と新たな課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 02:30 UTC 版)
「東海北陸自動車道」の記事における「全線開通と新たな課題」の解説
東海北陸自動車道が全通すると、北陸道からの転換効果もあり交通量はほぼ全区間に亘り増え、特に休日の増加率が顕著になっている事が確認された。物流効率の上昇による経済活性化(岐阜県試算によれば30年間で約5兆6000億円の効果)、沿線観光資源の振興、交通事故の減少による安全性・定時性確保など域内外の利用者に便益をもたらしており、例えば、環日本海ゲートウェイとして日本海側の総合的拠点港を目指す伏木富山港を抱える富山県の「環日本海物流ゴールデンルート構想」では、2012年(平成24年)にウラジオストクとの間で定期就航を開始したRO-RO船と共に、東海北陸道が構想の基盤をなしている。実際、全線開通前には中京圏の企業が相次いで伏木富山港を視察に訪れ、その将来性を実感していたという。また、岐阜県の山間部にとっては高速道路が高山市などの救急医療施設への搬送路確保に一役買っており、かつて白川村で村長を務めた和田正美は「昔は虫垂炎であの世へというのが常識だった」と述懐し、全線開通した今を「夢のような時代」と表現する。また、白川村では高校生が下宿通学から解放され自宅通学可能になるというメリットもみられた。 一方で、世界遺産として有名な白川郷では近年観光客が激増しており、過度な増加による景観破壊を懸念する声があるほか、行楽シーズンには最寄りの白川郷ICで観光地周辺の駐車場の容量不足により駐車場待ちの渋滞が発生し、その車列がインターチェンジを越えて東海北陸道本線にまで伸びるという新たな問題も発生しており、2008年(平成20年)の全線開通による交通量増はこの問題に一層拍車をかけている。
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