元千葉ロッテマリーンズ投手強盗殺人事件
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元千葉ロッテマリーンズ投手強盗殺人事件(もとちばロッテマリーンズとうしゅごうとうさつじんじけん)は、かつてプロ野球選手として活躍した小川博(事件当時42歳)が現役引退後の2004年(平成16年)11月に埼玉県上尾市内で起こした強盗殺人事件[1]。
注釈
- ^ これがきっかけで、翌年(1989年)にはパ・リーグで最多奪三振のタイトルが創設された(セ・リーグでは1991年から表彰対象)。
- ^ さいたま地裁の判決 (2005) によれば、借金総額は約1,700万円とされる[7]。また「ロッテの選手・コーチ、他球団やメディアの関係者からも借金していた」とする報道もある[9]。
- ^ 解雇の理由について『読売新聞』は「『功労者』として評価されていた選手が職員に転身することになり、そのポストを空けるため」と[17]、『週刊朝日』は「表向きには『球団の主導権をめぐる内部抗争で敗れた一派が排除されたあおり』とされている」と報道しているが[20]、「(小川自身の)金銭トラブルが原因」とする報道もある[14][9][20]。また、「球団にも借金の取り立てが来た」という報道もされている[13]。
- ^ 小川は事件当時、埼玉県さいたま市緑区道祖土四丁目に在住[3]。住居については『読売新聞』は「賃貸マンション」[17]、『夕刊フジ』は「分譲マンション」とそれぞれ報道している[22]。
- ^ 同日19時が闇金からの借金の利息(約3万円)の返済期限だった[24]。また、被害者女性が最後に目撃された時刻は同日17時20分ごろで、風呂掃除をする姿を会長の妻に目撃されていた[25]。その後、同日21時30分ごろに会長夫婦が自宅(事件現場)に戻ったところ、被害者の姿はなく、2階の居間にあった現金175万円もなくなっていた[25]。
- ^ このアパートではそれ以外にも窃盗事件があった[25]。
- ^ 事件直後の『読売新聞』によればその時刻は事件当日の19時ごろで、「年配の女性が大柄な男によって軽自動車に運び込まれていた」とされるが、姿を目撃した女性は当時、「病人を病院に運ぶのだろう」と思い、警察には通報しなかった[25]。
- ^ なお、小川は逮捕前日(2004年12月20日)に産廃処理会社を解雇されていた[1][2][19]。
- ^ さいたま地裁 (2005) はその理由について「小川は被害者に土下座までして借金を頼んだことを断られたため、咄嗟に被害者を突き飛ばしたことも想定できる。また、小川は(会長宅に)現金が保管されていることを確実に知っていた証拠はない」などと指摘した[7]。
- ^ 同年金は55歳からの支給で、15年以上在籍しても支給額は年142万円しかなかったため、大坪は「若くして引退する選手にとっては支給開始までの期間が長過ぎる」と指摘した[10]。大坪は「契約金の半額を強制的に(年金の)掛け金にさせるなどのシステムを構築し、共済制度を整備すべきだ」と主張していたが[10]、その後、選手年金は資金難などを理由に2011年限りで解散した[33]。
- ^ 石井は中学校・高校時代、後に近鉄・ヤクルトで活躍した伊勢孝夫の同級生だった[12]。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 後藤慎二「元ロッテ投手の小川博容疑者逮捕 借金断られ175万円強奪 同僚女性川へ投げ殺害」『東京中日スポーツ』中日新聞東京本社、2004年12月22日。2018年12月25日閲覧。オリジナルの2004年12月29日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c d 『読売新聞』2004年12月22日東京朝刊第一社会面39頁「埼玉・桶川の家政婦強殺 元ロッテ投手を逮捕 小川博容疑者、借金断られ犯行」(読売新聞東京本社)
- ^ a b c d 『東京新聞』2004年12月22日朝刊第一社会面27頁「強殺容疑、元ロッテ投手逮捕 桶川の女性水死 借金断られ凶行」(中日新聞東京本社)
- ^ a b c 『読売新聞』2004年11月21日東京朝刊第一社会面39頁「埼玉・桶川の荒川で家政婦の殺害遺体を発見」(読売新聞東京本社)
- ^ a b c 『読売新聞』2005年1月12日東京朝刊埼玉南版地方面30頁「元ロッテ投手を強盗殺人で起訴 さいたま地検=埼玉」(読売新聞東京本社・さいたま支局)
- ^ a b 『朝日新聞』2005年7月8日東京朝刊埼玉版第一地方面31頁「元ロッテ投手に無期求刑 上尾の女性殺害でさいたま地裁 /埼玉県」(朝日新聞東京本社・さいたま総局)
- ^ a b c d e f g h i 『読売新聞』2005年9月30日東京朝刊埼玉南版地方面35頁「元ロッテ投手に無期懲役判決 「見境なく借金」断罪 さいたま地裁=埼玉」(読売新聞東京本社・さいたま支局)
- ^ a b 金原 2009, pp. 183–184.
- ^ a b c d e f g 「強盗殺人で元ロッテ・小川容疑者逮捕 88年奪三振王」『スポーツ報知』報知新聞社、2004年12月21日。オリジナルの2004年12月25日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c d e f g h 『東京新聞』2004年12月23日朝刊第一特報面24頁「こちら特報部 プロ野球選手 厳しい再就職 『野球と無関係 9割超』 年金支給55歳から 15年在籍でも年142万円 Jリーグには支援センター」「評論家やコーチ就任ごくわずか」「契約金を活用し共済制度整えよ」(中日新聞東京本社)
- ^ a b c 「「元ロッテ投手逮捕」球界動く」『nikkansports.com』日刊スポーツ新聞社、2004年12月23日。オリジナルの2004年12月30日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c 石井晃「石井晃の「スポーツ・ジャーナル」 セカンドキャリア」『asahi.com』朝日新聞社、2004年12月29日。2020年10月14日閲覧。オリジナルの2020年10月14日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c d e 「強盗殺人で元ロッテ投手を逮捕」『nikkansports.com』日刊スポーツ新聞社、2004年12月22日。オリジナルの2004年12月29日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b 「元ロッテ投手を強盗殺人容疑で逮捕」『スポニチアネックス』スポーツニッポン新聞社、2004年12月22日。オリジナルの2004年12月23日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b 『毎日新聞』2005年3月13日東京朝刊第一社会面31頁「現場発:埼玉・桶川の女性強殺 孤独な元ロッテ投手、母に「待ってて」」(毎日新聞東京本社 記者・写真:村上尊一)
- ^ a b c d e 『朝日新聞』2004年12月22日東京朝刊埼玉県版第一地方面29頁「華麗な球歴、一転 産廃社員殺害容疑の元プロ野球投手 /埼玉」(朝日新聞東京本社・さいたま総局)
- ^ a b c d e f g 『読売新聞』2004年12月25日東京夕刊第一社会面19頁「3万円に窮して…強盗殺人 奪三振王、最悪の暴投 元ロッテ投手・小川博容疑者」(読売新聞東京本社)
- ^ ロッテ・小川博投手が現役登録抹消 1989年5月28日 読売新聞 東京朝刊18頁
- ^ a b c d e f 「【2004年12月22日付デイリースポーツ紙面より】元奪三振王ロッテ小川 借金苦で67歳女性を殺害!川に投げ込む非道ぶり」『デイリースポーツ』神戸新聞社、2013年10月10日。2018年12月25日閲覧。オリジナルの2018年12月25日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c d 抜井規泰、四本倫子「女性を川に投げて殺した、元プロ野球ロッテ投手の栄光と転落」『週刊朝日』第110巻第1号、朝日新聞社出版本部、2005年1月7日、158頁。 - ※通巻第4665号(2005年1月7日・14日合併号)
- ^ a b c d e f 『読売新聞』2004年12月22日東京朝刊埼玉南版地方面34頁「家政婦殺害 小川容疑者、動機は借金3万円 事件当日が返済期限=埼玉」 (読売新聞東京本社・さいたま支局)
- ^ a b 「元ロッテ150キロ右腕の転落人生…強盗殺人で逮捕 小川博容疑者、気弱、だまされ借金かさむ」『ZAKZAK』産業経済新聞社、2004年12月25日。オリジナルの2004年12月25日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b 『朝日新聞』2005年3月1日東京朝刊埼玉版第一地方面35頁「借金重ねた末、犯行 元プロ投手の強盗殺人事件、初公判 /埼玉」(朝日新聞東京本社・さいたま総局)
- ^ 『読売新聞』2004年12月23日東京朝刊第一社会面31頁「埼玉・家政婦強殺 元ロッテ投手小川容疑者、30分後「ヤミ金」期限」(読売新聞東京本社)
- ^ a b c d e 『読売新聞』2004年11月22日東京朝刊埼玉南版地方面30頁「家政婦殺害 不明時間帯に年配女性の連れ去り目撃 住み込みの家から=埼玉」(読売新聞東京本社・さいたま支局)
- ^ 『読売新聞』2005年2月28日東京夕刊第二社会面22頁「埼玉・桶川の家政婦強殺 初公判 被告の元ロッテ投手、殺意を否認」(読売新聞東京本社)
- ^ a b 『読売新聞』2005年3月1日東京朝刊埼玉南版地方面34頁「元ロッテ投手強殺初公判 返済資金パチンコに アリバイ工作頼む=埼玉」(読売新聞東京本社・さいたま支局)
- ^ 『読売新聞』2005年7月8日東京朝刊第三社会面37頁「強殺の元ロッテ投手に無期懲役を求刑/さいたま地裁」(読売新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』2005年9月29日東京夕刊第一社会面23頁「桶川の家政婦強殺 元ロッテ投手に無期判決/さいたま地裁」(読売新聞東京本社)
- ^ a b c 「元ロッテ投手 2審も無期懲役」『スポニチアネックス』スポーツニッポン新聞社、2006年2月23日。オリジナルの2006年3月29日時点におけるアーカイブ。
- ^ 『読売新聞』2006年2月23日東京夕刊夕刊都民版22頁「埼玉の家政婦強殺 元ロッテ投手に2審も無期判決/東京高裁」(読売新聞東京本社)
- ^ a b 『毎日新聞』2006年2月23日東京夕刊社会面11頁「埼玉・桶川の女性強殺:元ロッテ投手の無期判決を支持−−東京高裁」(毎日新聞東京本社 記者:銭場裕司)
- ^ 「プロ野球、資金難などで年金制度解散を決定」『スポニチアネックス』スポーツニッポン新聞社、2011年3月15日。2020年10月14日閲覧。オリジナルの2020年10月14日時点におけるアーカイブ。
- ^ “元人気プロ野球選手が強盗殺人事件…借金地獄に転落した壮絶人生とは”. マイナビニュース. (2022年2月21日) 2022年2月23日閲覧。
- ^ 井上賢嗣 [@kenji_____inoue] (2022年2月22日). "ご視聴ありがとうございました! 『ザ!世界仰天ニュース』再現VTRにて小川博役をやらせていただきました。". X(旧Twitter)より2022年2月23日閲覧。
- ^ “小川博受刑者 プロ野球選手から強盗殺人犯に 獄中から知人へ手紙「なぜあんなことをしてしまったのか」”. Sponichi Annex. (2022年2月22日) 2022年2月23日閲覧。
- 1 元千葉ロッテマリーンズ投手強盗殺人事件とは
- 2 元千葉ロッテマリーンズ投手強盗殺人事件の概要
- 3 関連書籍
- 4 脚注
固有名詞の分類
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