セカンドキャリア
セカンドキャリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/18 05:02 UTC 版)
セカンドキャリアとは人事労務用語で「第二の人生における職業」を意味する。
英語で「第二の」を意味する second と「経歴」を意味する career を組み合わせた和製英語[1]。元々はプロスポーツ選手の現役引退後のキャリアチェンジを指す用語であったが、日本で終身雇用制度が薄らぐにつれて、会社員や公務員の定年退職後や、女性の出産や育児に伴う離職後の復職を含めて指す様になっている[1][2][3][4]。
プロスポーツ選手の場合
Jリーグでは2002年よりセカンドキャリア支援のために、キャリアサポートセンターという組織を設置している。このことによって引退した元Jリーグ選手は、キャリアサポートセンターの支援によって受け入れ企業が見つけられたり、就職への啓蒙や動機付けが行われるようになっている。
また、プロボクシング界では日本ボクシングコミッションが音頭を執り元プロボクサーを警察官採用へ導いている他[5]、大橋ボクシングジムが焼肉店を開店したり[6]、真正ボクシングジムが所属選手を営業及び運営の社員として雇用するなど[7]、独自にセカンドキャリア支援に取り組むジムも目立っている。
官民でこうした支援が行われている一方、職業選択に失敗して悲惨な人生を送っている者も多く存在する。例えば元プロ野球選手ならば従来、野球解説者や評論家・コーチなど、野球に関する業務に就ける者が多かったものの、近年は地上波におけるプロ野球中継の削減などでそうした道が狭まっているのが実情である。
セカンドキャリアで最も苦労するのがそれなりに活躍できていた元一流選手とされる。これは、スポーツで成功できずに早い段階で引退した選手ならば、プライドも無いことから切り替えが容易であるものの、実績を残した選手ならば周囲はどう扱えばよいのか困るし、本人も一から始めるという意思がない。元選手に擦り寄ってくる者も多いため、引退後に不安になっている状態で話を聞いてしまい騙されたという者も多い。ある程度活躍できていた選手ならば、現役時代に高給をもらい金遣いが荒くなっている。だが引退すれば大金が入ってこなくなり地道に働いてようやく人並みの給料であるため、現役時代の派手な生活を改めないと行き詰る。だがこれが改まらずにもっと金が欲しいと思ったとき、誘惑に負けて詐欺などを行ってしまい、犯罪者となってしまう者もいる[8]。2004年には元プロ野球選手の小川博が強盗殺人事件を犯し、大きな波紋を呼んだ。
元スポーツ選手による犯罪事件は当人のみならず、当該競技のブランドイメージ低下、ひいては子供にスポーツを辞めさせるといった親の意識が生まれてしまい、普及や強化の阻害要因となり、スポーツ市場の縮小に繋がるため、引退選手のセカンドキャリアはスポーツ界全体で考える必要が生まれている[9]。
NPBのプロ野球選手のセカンドキャリアは「プロ野球選手の8割は引退後に自己破産する」と誇張して伝わることもある[10]。
一度引退した後に現役復帰する選手も少なからず存在するが、その中には伊達公子のように「復帰してからがセカンドキャリア」と公言する者もいる[11]。
脚注
- ^ “【年齢別】セカンドキャリアの見つけ方・考え方って?転職に必要な準備とは”. パソナ転職コラム (2020年4月24日). 2022年6月26日閲覧。
- ^ “What is セカンドキャリア”. リスキル. 2022年6月26日閲覧。
- ^ “セカンドキャリア(せかんどきゃりあ)とは”. コトバンク. 2022年6月26日閲覧。
- ^ “警官採用に現役プロボクサーら73人志願”. 日刊スポーツ. (2007年2月16日)
- ^ 大橋ジムが焼き肉店を開店 セカンドキャリア支援へ 日刊スポーツ 2016年2月16日
- ^ 【なにやっ10】現役ボクサーが営業トップ!? サンケイスポーツ 2009年4月29日
- ^ プロ野球選手の悲惨な引退後 仕事は少なく、だまされる人続出、自ら犯罪に走るケースも ビジネスジャーナル
- ^ 選手の引退後のキャリア問題。なぜ業界全体の課題として捉えるべきなのか。ライブドアニュース 2017年6月9日
- ^ 【戦力外通告】プロ野球選手は引退後8割は自己破産する⁉︎なぜトライアウト参加しない選手がいるの⁉︎戦力外になる選手の4つの理由とは⁉︎野球界の疑問を里崎が答える‼︎ Satozaki Channel 2023/11/24 (2023年11月28日閲覧)
- ^ 伊達公子、46歳の「根性」引退危機乗り越え3度目の挑戦へ。 dot
関連項目
- 引退
- 転職
- 戦力外通告
- 自由契約
- オールドルーキー (テレビドラマ) - サッカー選手のセカンドキャリアを題材としたテレビドラマ
セカンドキャリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/07 06:44 UTC 版)
「マルヨ・マティカイネン=カールストロム」の記事における「セカンドキャリア」の解説
1992年に工学の修士号とMBAを取得して大学を卒業、Fortumグループで働く一方、1995年にArne Matias Kallströmと結婚し、3人の子供をもうけた。政界に進出し国民連合党に所属して、1996年から欧州議会議員(1996年から2004年)、フィンランド国会(エドゥスクンタ)議員(2004年から)、エスポー市協議会議員(2005年から)、民連合党副党首(2004年6月6日から2006年11月6日)などを歴任する。 フィンランドスキー連盟理事(1990年から2007年)、フィンランドオリンピック委員会副委員長(2000年から)、国際スキー連盟理事(2002年から2006年)、欧州エネルギー財団副委員長(1996年から2004年)など数々の要職を務めている。
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