備砲・その他
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 05:13 UTC 版)
本級の副砲には新設計の「1926年型 Mark XXII 15.2 cm(50口径)速射砲」を採用し、弩級戦艦からの設計で初になる砲塔に収め、連装砲塔型式とした。この砲は重量45.36kgの砲弾を最大仰角45度で23,590mまで届かせることができた。俯仰能力は仰角60度、俯角5度で、旋回角度は舷側方向を0度として前後100度である。砲身の俯仰・砲塔の旋回・砲弾の揚弾・装填は主に水圧で行われ、補助に人力を必要とした。発射速度は毎分5発である。 配置は煙突から後部マストの間の舷側甲板上に配置され、片舷3基ずつ計6基が搭載された。3つの砲塔のうち中央部砲塔だけが高められたピラミッド配置により舷側方向へは3基6門を指向でき、首尾線方向には左右併せて4基8門を指向できるとされたが、実際は艦首方向には中央部砲塔が上部構造物に遮られるために実質的に2基4門で、艦尾方向にも後檣等が邪魔をするので2基4門程度であった。 この副砲の対水上戦闘力は非常に優れていたが、対空戦闘能力は褒められたものではなく、本級の実質的な対空戦闘は対空レーダーと対空機銃でカバーされていた。 「ロドニー」の15.2cm速射砲の装填機内の写真 1943年に撮られた「ロドニー」の右舷後方から前方を望んだ写真。12cm高角砲に防盾が付いた。 他に、対空兵装として「Mark VIII 12cm(40口径)高角砲」を単装砲架で、艦橋と煙突の間に片舷2基ずつと艦尾甲板に片舷1基ずつの計6基を分散配置している。この砲は34.5kgの砲弾を仰角45度で14,780m、22.7kgの対空榴弾を最大仰角90度で高度9,750mまで到達させることができた。俯仰能力は仰角90度、俯角5度で、旋回角度は360度旋回できた。発射速度は毎分8~12発だった。 近接対空用として第一次世界大戦時から用いられている「4cm(39口径)ポンポン砲」を装備した。また対艦攻撃用に艦首水面下に62.2cm水中魚雷発射管を片舷1基ずつ計2基装備し、艦首発射管室に12本を予備とした。 1940年に撮られた「ロドニー」の62.2cm魚雷発射管室の写真 1940年に撮られた「ロドニー」の艦尾側に配置された4cm(39口径)8連装ポンポン砲。
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