側方案内方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 08:56 UTC 版)
「自動案内軌条式旅客輸送システム」の記事における「側方案内方式」の解説
「標準型新交通システム」で定められた標準規格である。両側案内方式を除き最初に営業路線として採用したのは、1981年(昭和56年)3月に開業した、Osaka Metro南港ポートタウン線(ニュートラム)である。この方式では、走行路の左右両側に案内板を配置する。標準規格では、左右案内板の間隔を 2,900 mm とし、案内板中心高さは走行面より 300 mm としている。中央案内方式と比べて広めの軌道幅員が必要となるが、閉床構造のために騒音対策などの環境配慮の点や避難通路として利用できる点に優れ、ステアリング・ボギー台車双方の導入が可能。多くの AGT 路線に採用されている方式である。 分岐方式は、もっとも簡易かつ軽量な「水平可動案内板方式」を採用し、対応した車両側には、各車両下部にある台車から案内バーが左右両側に伸びており、その先の上部には案内軌条を走行して転動方向を規制させる案内輪、下部には分岐で進行方向を変えるために使用する分岐輪が取り付けられている。地上側の分岐場所には、分岐用案内板として2つの可動案内板と固定案内板が両側の案内軌条の下に設置されており、可動案内板が電気転轍器で可動することによって分岐器の役割を果たす。車両は可動案内板に車両側の左右どちらかの分岐案内輪が入り込み、その後、固定案内板を通過することによって車両の進行方向が選択できる。分岐場所を通過する際は、一時的に両側拘束の案内軌条を離れ、片側のみを拘束することによって分岐する。 両側案内方式 側方案内方式のうち、分岐方法に「浮沈式」を採用する路線を両側案内方式と呼ぶ場合がある。営業路線として採用したのは1981年(昭和56年)2月に開業した、日本で最初の AGT 営業路線である神戸新交通ポートアイランド線(ポートライナー)のみ。分岐時などで一時的に片側のみの拘束となる側方案内方式に対して、案内軌条自体が上下に浮沈することにより、常に両側が案内軌条にあたった状態で走行する。対応した車両側には、案内輪のみが取り付けられ、分岐用案内板や分岐案内輪が不要であり、軌道幅員を狭めることができる。分岐部分の構造が比較的複雑であるため建設費が高く、標準規格にはならなかった。閉床構造であることや、ステアリング・ボギー台車双方の導入が可能なことは側方案内方式と同じである。ポートライナーでは左右案内板の間隔を 2,430 mm としている。
※この「側方案内方式」の解説は、「自動案内軌条式旅客輸送システム」の解説の一部です。
「側方案内方式」を含む「自動案内軌条式旅客輸送システム」の記事については、「自動案内軌条式旅客輸送システム」の概要を参照ください。
- 側方案内方式のページへのリンク