信仰に関する調査結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 16:39 UTC 版)
「宗教を信仰しているかどうか」という調査の場合は、また異なる数字が出ている。NHK放送文化研究所による「ISSP国際比較調査(宗教)2008」によると、「あなた自身は、何か宗教を信仰していますか」という問いに対して、「宗教を信仰していない」(無宗教)49.4%、仏教34%、神道2.7%、その他の宗教1.1%、プロテスタント0.7%、カトリック0.2%などとなっており、「宗教を信仰していない」人49.4%に対して「宗教を信仰している」人は38.7%となっている。したがって、「宗教を信仰している」人の中では仏教が多数である。キリスト教信者は少数であり、かつその他の宗教(諸教)の信者よりも少ない、という点は文化庁『宗教年鑑』の宗教統計調査の数字とおおむね一致するが、『宗教年鑑』では仏教とほぼ同じだけ信者がいることになっている神道を「信仰している」と思っている人は仏教に比べ相当少ない、ということになる(なお、NHK放送文化研究所の調査においては伝統宗教と新宗教の区別はしていない)。 また同調査によると、神の存在については、「神の存在を信じない」人は8.7%と少数であるが、「神の存在に疑問を感じることもあるが、神は存在すると信じている」人が11.9%、「実際に神が存在することを知っており、神の存在に何の疑いも持っていない」人は4.3%となっており、神の存在を積極的に肯定する人も少数である。一方、「神が存在するかどうかわからないし、存在するかどうかを明らかにする方法もないと思う」という不可知論的な立場を表明する人も19.2%で必ずしも多くはない。「神がいるとは思わないが、何か超自然的な力はあると思う」人が23.2%、「神の存在を信じる時もあるし、信じない時もある」人が32.0%となっており、時と場合によっては人知を超えた宗教的とも言い得るものが存在しているような気がする、といった意識を持っている人が半数以上を占めており、多数派である。また、多くのものに神の存在を感じたり、祀ったりする気持ちについて、「理解できる」人が25.9%、「どちらかといえば、理解できる」人が52.9%で、汎神論的感覚を肯定する人も多数となっているため、「宗教を信仰していない」人(無宗教)が約半数であっても、単純に「無神論者や不可知論者が約半数」とは言えない、という結果となっている。 ギャラップインターナショナルによる2017年の調査(調査対象68カ国、約6万6千人)によれば、日本は人口の29%が神を信じていない無神論者とされ、この無神論者の割合において、日本は中国に次いで世界2位となっている。 2018年のISSP調査では、「神仏を拝む頻度」「お天道様がみている」「人知を超えた力の存在」「自然に宿る神」などの信仰に関する数値が低下し、さらに信仰心が薄くなっている状況が明らかになった。
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