作者の反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/11 05:09 UTC 版)
「バットマン: キリングジョーク」の記事における「作者の反応」の解説
アラン・ムーアは後になって、本作をはじめとする自作がスーパーヒーロー・コミックに陰鬱な作風を流行させたことを後悔するようになった。本作のスクリプトそのものの自己評価も低く、主題が浅薄だとみなしている。2000年のインタビューでは、権力をテーマにした『ウォッチメン』や、ファシズムとアナーキズムを扱った『Vフォー・ヴェンデッタ』と比較して「それほどいい作品だとは思わない。何も興味深いことを言っていない」と述べている。これにはムーアとDC社の不和も影響を与えていると見られる。2003年には次のように述べている。 『キリングジョーク』はバットマンとジョーカーの物語だ。実人生で出合うようなことはまったく出てこない。バットマンとジョーカーはこの世のどんな人間にも似ていない。だからこの本は人間について何も教えてくれない … ああ、私が思うにこの作品は不出来なのに過大評価されていて、ヒューマンな意味での重要性はまったくない。DC社が所有する、現実世界とは何の関係もないキャラクターの話でしかない。 2006年の『ウィザード(英語版)』誌に掲載されたインタビューで、ムーアはバーバラ・ゴードンを半身不随にしたことについても自己批判した。「DCに聞いたんだ。そのときバットガールだったバーバラ・ゴードンを不具にして構わないか。記憶が確かなら、相手は担当編集者だったレン・ウェインだった。彼はこう答えた。「ああいいよ、あのビッチを不具にしてやれ」ここはDCが私の手綱を引くべきところだったと思う。でも彼らはそうしなかった」 ボランドは本作の最終版に不満を持っており、発売までのスケジュールに余裕がなく自身でアートの彩色を行えなかったことを悔やんでいる(カラリストを務めたのはジョン・ヒギンズである)。「出来上がりは私が望んでいたようなものではなかった。アランの執筆歴で最高クラスの作品と同列だとは思わない」2008年3月にはボランド自身によって全面的にカラーリングがやり直された『キリングジョーク』20周年記念ハードカバー版が刊行され、当初の構想通りのアートワークが公の目に触れることになった。同書は2009年5月に『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーリストに載せられた。
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